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乱藤四郎 ページ5

ボクは主の顔を見たことがない。主はいつも部屋の中にいて、外に出てこないから。主を見た事あるのは初期刀の蜂須賀さんだけなんだけど、主の話をするととても嫌そうな顔をする。そしていつもこういう。

「知らなくてもいいことは知らなくてもいい。指示もでるし、本丸は回っている。何か問題が?」

主は刀を作らず、拾ってきたボク達だけしかいないから、強い刀はいなくて、短刀や打刀が多い。だから蜂須賀さんしか主を知らない。
ボクだって主がどんな人か気になる!知りたい!そう抗議すると、しっしっと追いやられてしまう。
いち兄がきたらチクってやる!

「薬研は気にならないの?」
「俺っちも蜂須賀の旦那と同じ意見だぜ」
「秋田は!!」
「主が嫌がることはあんまり」
「ボクだけなの!?」

ボクの言葉に2人は笑う。笑いごとじゃないんだって!
そりゃボクだって、秋田と同じで嫌がることはしたくないから無理矢理部屋に入ったりしないけどさー!やっぱりどんな人かは気になるじゃん!
だから決意して、主の部屋の前に立つ。

「あるじさん!こんにちは!」
「へ?」

襖の向こうから酷く間抜けな声が聞こえた。声が高いし女の人かな?

「ボク、乱藤四郎っていいます」
「へ、は、はい」
「ボク、あるじさんととっっっても仲良くしたいんだけど、蜂須賀さんはなんにも教えてくれないから直接いいに来ました!」

そういうとしん、と静かになる。それでもボクは負けずと話す。

「毎日1回は声をかけにくるので、お話したい気分になったら教えてねっ!今日はボクが誉をとった話ね!」

主は返事を返してくれないが、ボクは今日あった出来事を話す。その日からボクは欠かさず、主に声をかけに行く。返事が帰ってくる時と帰ってこない日があるけど気にせず話しかけに行く。

「いつもどこに行ってるのかと思えば」

その声に顔を上げると蜂須賀さんが立っている。流石にまずいと思うが、蜂須賀さんは襖を軽く睨むだけだった。もしかして蜂須賀さんは主が嫌いなのだろうか。そう思うと今までの行動もそうなのでは?と思ってしまう。

「だ、だめだよ!」

襖の前に主を守るように立つ。その動きに蜂須賀さんはますます顔をしかめる。

「君のせいでややこしくなってきているんだが」

そういうとボクより身長の高い蜂須賀さんはなんの困難もなく、襖をあける。勢いよくあいた襖の向こうに体を震わせているあるじさまがいた。

乱藤四郎→←次郎太刀



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めろん(プロフ) - 美紅さん» ごめんなさい!コメントの通知が来てなかったのか今見ました!い、1年前……!なんとお詫びしていいか!!遅くなりもう見てらっしゃるか分かりませんが、書きたいと思います!! (9月23日 1時) (レス) id: fa5094f527 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 不幸な審神者は一人で行ってしまい刀剣男士が心配するので雨が降り始めた話 (2022年3月31日 20時) (レス) id: 6d09a11cef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めろん | 作成日時:2021年11月9日 11時

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