泣いてもいいんだよ ページ22
イリ「…」
イリ?「どうしたの…?みんなと…ここから出て行くんじゃなかったの?」
眼下を赤く濡らしながら"私"は私を見つめる
その目は今頬を伝う涙よりも赤くて光が射していない
私はそんな彼女に一歩近づく
イリ?「な…に…?どうしたの…?ああ…そっか…私貴方のお友達を傷つけちゃったもんね…だから消すんだ…貴方の中から"私"という存在を…。いいよ。それだけのことをしちゃったんだもんね。」
彼女は自嘲するように乾いた笑みを見せる
私はどんどんその距離を詰めて行く
イリ?「あはは…話すのも嫌?まぁそっか。大切なものを傷つけられたら誰でも嫌いになるよね…ほら、早く消しなよ。殺しなよ。そして友達と一緒に現実に戻りなよ。」
私は彼女の前で立ち止まった
覚悟を決めたように安らかな顔で"私"は目を閉じていた
そんな"私"を私は思い切り抱きしめた
イリ?「…え?」
動揺した"私"の声が聞こえる
イリ「消すなんて…そんなわけないじゃない。だって、貴方は"私"なんだから。」
イリ?「っ…!」
そう
彼女は私の恐怖
寂しさ
孤独感
様々な負の感情が積もりに積もって出来たもの
お父さんは私に"あれ"を私の体に打ち込んだ時教えてくれた
ーこれは負の感情そのもの。対象のそれに住み着きそれに成り代わり、やがてそれそのもののになるもの。それは自我を破壊して乗っとるかもしれないし或いは自我が勝利して完全に消え去ってしまうか…まぁ私は前者になってくれることを願うけどね。ー
それとは私の負の感情
お父さんはそれを増幅させて私を消して"私"が体を支配するようにしむけようとした
しかしそれは失敗した
ここに私がいるのがその証拠
そして私がここにいるということはお父さんの理論で言うなら"私"は消えてしまうことになる
でも…
そんなのダメ
だって彼女も私の一部なんだから
消してしまったら私じゃなくなる
そんな気がするの
だから
イリ「寂しかったよね。苦しかったよね…わかるよ。だって貴方は私だから。でもいつまでも閉じこもってちゃいけない。そうしないと前に進めないから。本当の幸せを取り逃がしちゃうから。だからゴメン。ここにはいられない。」
イリ?「あ…あ…」
イリ「でもね。貴方が消えてしまうのは間違ってる。お父さんは私が体を使うなら貴方は消えなきゃいけないって言ってた。でもそれは違う。負の感情だって私を作る一部分なんだから。…貴方は必要だよ。必要とされてるよ。だから…泣いてもいい。けど、どうか自分を悲観しないで。いらない存在だなんて思わないで。」
そういうと私はより一層抱きしめる力を強くした
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闇鍋ソース(プロフ) - Black Knifeさん» 頑張れー!そして5で終わるかと思いきやもうお話いっぱいで6に行くと言う…流石に6でファーストシーズン終わるよね…ね?(すげぇ心配になってる調味料) (2018年11月8日 23時) (レス) id: d08f07dbe3 (このIDを非表示/違反報告)
Black Knife - 頑張れ闇AUズとInk! (2018年11月8日 22時) (レス) id: 0370046889 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - ゆぎーさん» あざまーす!それじゃあベッキーちゃんに彼でも送りますかね…(個人的に終わった後はブラッキーをパーリーにお呼びしたい) (2018年11月6日 20時) (レス) id: d08f07dbe3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎー(プロフ) - モル「何かあったら呼んでくれ。できるだけの助けをしよう。あと、何もかもが解決したら是非我が世界に来てくれ。ベッキーの事で詫びをしたい。歓迎するぞ。」 (2018年11月6日 20時) (レス) id: 3af73fb010 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - ゆぎーさん» 色々あるんですよ…色々あるんですよ(泣)←大事なことなので二回言いました (2018年11月6日 18時) (レス) id: d08f07dbe3 (このIDを非表示/違反報告)
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