◇ 84 : 私の好きな人 ページ35
.
泣きそうになりながらそんなことを言ったAを
優しく、愛おしそうに見つめる伊藤。
「 だから、そんなこと言われたら… 別れて来たなんて言われたら … い、嫌でも嬉しいとか、思っちゃうじゃん … 」
「 さっちゃん … 」
「 本っ当ずるい … っ 」
俯ながら唇を噛み締めるAを見て、伊藤は優しく微笑んだ後、ぎゅっと握っていたAの拳を包み込んで、そのまま腕を引っ張って自分の胸の中に閉じ込めた。
「 … 嬉しいって思ってよ 」
「 …… 」
「 … 好きだよ、さっちゃん 」
「 … っ、バカ 」
「 えっ、」
「 … 私も … 好き、 」
そっと伊藤の背中に腕を回すと、遠慮がちにキュッと伊藤の学ランを握ったA。その行動1つ1つが愛おしくて、伊藤は思わず強く抱きしめてしまう。抱きしめた体を一旦離し、肩に手を置いてゆっくりと近づいて来る伊藤。
『 … おい、てめ、 』
「 っざけんな今いいところだったでしょーがえぇ？！どうしてそうやって邪魔して来るかなモブキャラのくせにえぇ？！ 」
Aも目を閉じて受け入れようとしたその時、倒れていた男が立ち上がり邪魔をして来たので遠慮なくぶっ倒して再び気絶させた伊藤。すっかりと男の存在を忘れていたAは、思い出した途端に恥ずかしくなって顔が熱くなるのがわかった。
「 … とりあえず、出よっか？ 」
「 う、うん、そうだね … 」
男のせいで気まずくなってしまった2人は手を繋いで部屋を出る。その家を出たところで、先に逃げ出していた三橋と京子がいるのを見つけ、Aは思わず身が固まってしまう。
「 A … 良かった … ！ 」
「 京ちゃん … 」
「 気にしないで、振ったの私だから 」
駆け寄って来た京子に抱きしめられるが、気まずそうにするA。そんなAの耳元でそう囁いた京子に、Aは思わず驚いてしまった。
「 そうだ、伊藤さん 」
「 ん？ 」
「 私スケバンやめてないんで、Aのこと泣かせたら伊藤さんだろうが関係なくやりますから 」
「 う、うん … 」
京子の勢いに思わず怯んでしまう伊藤だったが、内心京子には感謝の気持ちでいっぱいだった。その横で三橋はA隣に行って、「 よかったな 」と頭をひとつぽんと叩けば、Aは嬉しそうに頷いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 551人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紀 - 今日俺見てから伊藤健太郎さん大好きになりました最高ですなりました最高です (2019年8月6日 18時) (
レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
みに(プロフ) - 優衣さん» めちゃくちゃ恥ずかしい間違いをしていたようで自分でも笑ってしまいました…、(笑) ご指摘ありがとうございます！頑張ります^^ (2018年12月30日 21時) (レス) id: b7f7b4b60d (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - 主人公の父から目をそらさずに、、が主人公の乳から目をそらさずにになってて思わず笑ってしまいました笑 更新楽しみにしています！ (2018年12月30日 21時) (レス) id: 6aecb5f766 (このIDを非表示/違反報告)
みに(プロフ) - 優衣さん» コメントありがとうございます！ついにゴールインしました〜！なるべくたくさん入れていこうと思っています！宜しくお願いします^^ (2018年12月30日 14時) (レス) id: b7f7b4b60d (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - ついにゴールインですね！笑 伊藤くんと京ちゃんみたいなベタベタな絡みが見たいです)^o^( (2018年12月28日 0時) (レス) id: 6aecb5f766 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みに | 作成日時：2018年12月21日 0時
