◇ 49 : 自分にとっての幸せ ページ49
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一瞬緩みそうになったが、再び強張ってしまったAの表情を見て、また心配になる三橋。
「 … A 」
「 ごめんね三ちゃん、心配かけちゃって 」
「 いや、俺は別にいいけどよ … 」
「 伊藤くんには私からちゃんと謝っておくから、心配しないで？… 2人の邪魔もしないつもり。ていうかしたくない 」
自分の気持ちを押し殺すようにしてそう言ったA。三橋は思わず「 何言ってんだよ！ 」と声に出してしまったが、Aの表情が変わることはなかった。
京子も伊藤も2人とも大好きなAにとって、2人の幸せの邪魔をするようなことはしたくなかった。2人が幸せならそれでいいと、それが自分の幸せだと、そう思っているのだ。
「 … さ、もう遅いし、明日も学校あるから帰りな？ 」
「 俺は認めないからな 」
「 …… 三ちゃん … 」
「 俺はそれでお前が幸せになれるとは思えねぇ 」
そう言う三橋にいつものふざけたような調子は全くなく、真剣にAのことを思って言ってくれていることが伝わってくる。自分のことじゃないのに、三橋が背中を押そうとしてくれているのを感じて、ありがたくもあり申し訳なかった。
「 とりあえず今日は帰るけど
… 変にあいつと距離取るのとかやめろよな、絶対 」
「 …… 」
「 返事は 」
「 … は、はい 」
「 ん、じゃ帰るわ 」
「 飯上手かった、さんきゅ 」と微笑みながらAの頭をポンと撫でてから帰っていく三橋。撫でられた頭が少しじんわりと温かく感じて、三橋の優しさが身に染みて感じた瞬間だった。
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次の日の朝、少し緊張しながら玄関のドアを開ける。伊藤とは家が近いと言えども朝は全くと言っていいほど会わないので、今はそれが唯一の救いでもあった。のだが。
「 あ、」
「 … ほぇ、」
驚いて思わず変な声を出してしまったA。玄関を開けるとそこには伊藤の姿があり、一歩出たところでしばらく固まってしまう。
「 … おはよ、さっちゃん 」
「 あ、お、… おはよう 」
目の前にいて面と向かって挨拶されたのに、それを無視するのは流石に気が引けたAは思わず伊藤の挨拶に返してしまった。伊藤の顔もどこか引きつっていて、2人の周りだけ何か気まずいオーラで包まれているようだった。
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みに(プロフ) - みっきーさん» コメントありがとうございます！私も無事にくっつけられるように頑張ります^^ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月12日 8時) (
レス) id: b7f7b4b60d (このIDを非表示/違反報告)
みっきー - 初コメ失礼します。タイトルに惹かれて読んでみたら、一気に読んじゃいました(笑)面白いです！伊藤くんとヒロインちゃんが無事にくっつきますように、見守っていきたいと思います！頑張ってください！ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 7809a2007e (このIDを非表示/違反報告)
みに(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます！伊藤くんとの仲に関してはたくさん拗らせて行こうと思ってるので、最後までお楽しみいただけたらと思います^^ (2018年12月10日 7時) (レス) id: b7f7b4b60d (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - はじめまして！すごく丁寧にお話をなぞってあり、いつも楽しませていただいています！伊藤くん落ちというのもすごく楽しみななか、最新話の展開にドキドキ！無事に伊藤くんと近づけますように！楽しみにしております！ (2018年12月9日 9時) (レス) id: fd73c1c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みに | 作成日時：2018年12月4日 23時
