◇ 47 : 繊細なあの子 ページ47
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結局1日中伊藤と目を合わすこともなければ話すこともなかったAは、思ったよりも胸に大きい穴がぽっかりと空いている気がしていた。
あまり気分の乗らない中、Aの席へと三橋がやって来る。
「 おし、A行くぞ 」
「 行くって、どこ行くか決まってるの？ 」
「 あったりめぇよ、お前ん家だ 」
「 え？ 」
「 は？ 」
「 … んだよ、なんでちみが反応するんですか伊藤クーン 」
自分の声以外に驚いたような声が聞こえたので振り返れば、そこには目を見開いて三橋を見つめている伊藤の姿があり、それにまた驚くA。伊藤の視線がAに移った時、Aは途端にパッと目を逸らした。
「 さ、三ちゃん行こう！行くなら行こう！ 」
「 え？まじ？良いならいいやラッキー！ 」
「 あ、その前にお買い物してもいい？ 」
「 いいけど 」
「 何か食べたいものある？ 」
「 オムライスがいいでーす！卵とろっとろで！ 」
ビシッと腕を伸ばしてそう言う三橋に、「 はぁいわかりました 」と笑いながらそう答えるA。教室を出て行く間際に三橋が伊藤の方を見て舌を出して来て、伊藤は思わずガタッと立ち上がってしまう。
「 あれ、伊藤ちゃん？ 」
「 っ、理子ちゃん、どうしたの？ 」
「 Aと三ちゃんは？ 」
「 …… あいつらなら、もう帰ったよ 」
「 え？もう？ 」
「 三橋が、さっちゃん家に行くん … だとよ 」
「 えぇ？！何それ？！ 」
信じられない、とでも言いたそうな表情をする理子を見て伊藤は、自分の口から言うとなぜかさっきよりもズンと重くなったように感じた。
「 え、伊藤ちゃんは誘われなかったの？ 」
「 あ〜 … 俺、今さっちゃんとケンカ的なことしてて 」
「 え？何それどういうこと？ 」
「 実は …… 」
昨日、今井を助け終わった後にあったAとのやりとりを理子に話す伊藤。話終わった後の理子の表情は、伊藤と同じように複雑そうな表情をしていた。
「 … 伊藤ちゃんって、罪な男ね 」
「 え？罪？俺が？ 」
「 あのね伊藤ちゃん 」
「 ん？ 」
「 あの子ってあなた達が思ってるよりずっと繊細なのよ」
理子の言ったその言葉にハッとする伊藤。自分が昨日Aのためを思って言った言葉は実は無神経で彼女を逆に傷つけてしまったのだと、罪悪感に襲われた。
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みに(プロフ) - みっきーさん» コメントありがとうございます！私も無事にくっつけられるように頑張ります^^ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月12日 8時) (
レス) id: b7f7b4b60d (このIDを非表示/違反報告)
みっきー - 初コメ失礼します。タイトルに惹かれて読んでみたら、一気に読んじゃいました(笑)面白いです！伊藤くんとヒロインちゃんが無事にくっつきますように、見守っていきたいと思います！頑張ってください！ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 7809a2007e (このIDを非表示/違反報告)
みに(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます！伊藤くんとの仲に関してはたくさん拗らせて行こうと思ってるので、最後までお楽しみいただけたらと思います^^ (2018年12月10日 7時) (レス) id: b7f7b4b60d (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - はじめまして！すごく丁寧にお話をなぞってあり、いつも楽しませていただいています！伊藤くん落ちというのもすごく楽しみななか、最新話の展開にドキドキ！無事に伊藤くんと近づけますように！楽しみにしております！ (2018年12月9日 9時) (レス) id: fd73c1c988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みに | 作成日時：2018年12月4日 23時
