「…恋の始め方」2

☆ ページ27

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お疲れ様でした〜と周りが浮き足立って帰っていく中私と慎太郎はいまだにパソコンの前へと向かっていた




慎「ねぇ、ありえなくない？」
　「今回ばかりはごめん」



月末の支払い業務を私が忘れていたのだ
請求書と元帳の確認を慎太郎に
支払い処理を私が




　「夕飯奢るから」
慎「珍しいねAがこんなミスするなんて」
　「朝やろうと思ってたんだけどさ、役員会のセッティングと銀行さんっていうイレギュラーで…ごめん」




口早に言い訳をしながら手を動かす




はぁ…
やっぱ慣れないことするもんじゃない




慎「まぁ、そんな落ち込まないでさ！これで落ち込んでたら俺とかどうなっちゃうのよ」
　「それな。慎太郎のメンタルが羨ましいよ」
慎「そこ同意されると悲しいんだけど…」



落ち込む慎太郎を横目にパソコンを打ち続ける







　「終わった…」
慎「お疲れ〜。よし、晩飯！！」
　「慎太郎ありがとう」



2人で会社から出る




　「慎太郎何食べたい？」
慎「やっぱり人の金で食うなら…」
　「言い方笑」
慎「焼肉！！」




満面の笑みでグッドサインを出される



　「はーいよ」


慎太郎のグッドにグッドを合わせ笑顔を向ける



慎「お、Aが笑った」
　「私も笑いますよーだ」
慎「珍しいけどね」
　「どこの焼肉行く？」
慎「うーん。会社の最寄り駅のところでいいしない？」



そんなに高くないのに美味しいお肉が食べれるからサラリーマンの間では人気店だ



　「入れるかな」
慎「大丈夫でしょ。もうこの時間だし」


腕時計を見るとそろそろ21時になるところだった



　「まぁまず行ってみようか」







店のドアを開けると結構席が埋まっていた



店「いらっしゃいませ！お二人ですか？」
慎「はい。席空いてますか？」
店「ちょっと待っててくださいね〜」



席を確認してもらうと丁度一席だけ空いていたようでテーブルへ通される



慎「よかったね、空いてて」
　「結構人入ってるね」
慎「この時間なのになー。みんな残業かな」
　「忘年会とかもあるかもね」



小上がりの広い席にはネクタイを緩めたサラリーマンが盛り上がりながらお酒を酌み交わしている




慎「A、レモンサワー？」
　「そうだね。ちょっと飲もうかなぁ」


慎太郎が簡単に注文を済ましてくれている間小上がりのサラリーマンの観察をしていると見知った顔があった







樹？

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