愛してるよ…？【星原ヒカル】 (ページ37)

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第三十一話ページ37

～タケルサイド～

まさか、Aちゃんがあんなにおいつめられてたなんて…

あの時の顔はいつも笑顔だった彼女からは想像も出来ないような悲しみの顔だった

タケル「アラタ君達には言いたいけど…。だけど…」

あの目を見たら、誰だって黙ってしまうと思う

特に、相手が好きな人だった場合は

タケル「Aちゃん…。好きだよ…」

そう、僕はAちゃんが好き

初めて会った、あの日から

～回想～

タケル「ここが神威大門か…」

僕も、最初は転校生だった

テクノロジーコンテストでの優勝経験は１０回

１０回の優勝を目指してたから、入学を遅らせた。だけど…

当時のハーネスのメカニック達は、優勝回数は多くても３回

転校生の僕は、先にいたメカニック達に恨まれた

『あいつのほうが後から入学してきたのに…』

『なにが天才メカニックよ…！！』

『調子のってんじゃねぇの？』

誹謗中傷はもちろん、嫌がらせもたくさんされた

でも、一番嫌だったのはこれじゃない

『古城アスカと同じで卑怯なんだろ』

『あんなやつ、逃げることしか出来ない臆病者だろ』

『あんな男勝りなんて、俺にかかれば一捻りだ』

姉さんを馬鹿にされること

僕が傷つくのは構わない。でも…

タケル「姉さんを馬鹿にするな！！」

これだけは、許せなかった

次の日から、僕は他のメカニックの仕事を邪魔するようになった

相手の小隊のＬＢＸの部品を変えたり、変形させたり、隠したり

あいつらにやられたこと、すべてをやってやった

罪悪感はあったけど、気付かないふりをしていた

僕はもう、ボロボロだったんだ

でも、そんな僕をAが救ってくれた

貴方「貴方、古城タケル君でしょ？」

初めて君と喋ったのは、屋上

すべてがいやで、授業をサボっていたら、偶然君も同じ目的だった

タケル「…だったら何？」

貴方「噂の天才メカニックでしょ？話は聞いてるよ～。テクノロジーコンテストでの優勝は１０回。私、そういう知識はあんまり((タケル「うるさい」えっ…」

タケル「どうせ君も僕のことが憎たらしいんでしょ？転校生のくせに、とか思ってるんじゃない？」

貴方「…」

どんなにいい顔をしていても、所詮は人間

あいつらと同じ

タケル「僕に近づかないでよ」

近寄らないで

貴方「タケル君…」

やだ、こないで

タケル「っ…こないでってば！！」

君だって僕が憎いんだろ？

それなら…

ギュッ

タケル「…え？」

抱きしめられていた