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8話 ページ10

俺が出た後、デュースも風呂に入りに行って。俺が車の中に冷房を効かせながら後部座席で待っていたところ、程なくしてデュースが訪れ運転席へ座り、座ったのはなんだったんだというほど困った顔をするから。笑いが出た。


「……もう、やるならあっちの山と繋がってるトンネルのど真ん中に車停めてクラクション4回鳴らしておっ始めねえ?」

「……どうして?」

「いや、そこ心霊スポットで、中央でクラクション4回鳴らすとなんか忘れたけど出てくるらしいから、そんなもんより億倍怖くてヤベーもん見せて除霊してやろうと思ってさ」

「……」

「除霊できなくても喜ぶんじゃね?刺激が少ないとこ変なの来たらさ」

「……行くのか?」

「……行くわけない」

「段々わかってきたぞ」

「ずっとお前のこと困らせないようにこういうこと言わねーようにしてた甲斐がなくてよかった」

「……」

「最初っからこういう感じだったらお前あの時俺のことフってくれたしな、よく考えたら」

「……冗談だと思ってしまう」

「うん。だから本当に全部間違いだったわけ」


──俺こいつのこと本当に好きだったんだっけ?と、ふと思った。背中を、肩を眺めていたら。

好きだった、ような気はする。笑顔がかわいくて、突拍子もないことを言うから面白くて、何より良くしてくれた。危なっかしいから、こいつに意見した際にそのまま聞き入れられるポジションが欲しくて、それを恋愛というこいつにも理解できる糖衣に包んで告白し、恩を返したいと思って同棲を申し込んだ。それが恋愛的に好きなのかはわからなくて、それでいいと思っていたけれど。別に性的なことをするにも嫌悪感などはないし。普通だ。

一度手を離れたことに対しても、ずっと心配の方が優っていた。うまくいくはずがない、と、そう思っていた。それは正しかった訳だけれど。

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功徳(プロフ) - くずきりさん» わーい‼️全部読んでくださってる……いつもありがとうございます🥰今後ともよろしくお願いします💦 (11月10日 22時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
くずきり - 初コメ失礼します、語彙力イカレてますがぶっ飛びそうな位好きです。主可愛くて愛おしいしスペード可愛い極まりないのに最後でうわ〜て感じ噛まして来て、結局お互いの事も自分の事も一番みたいな…作者様の作品全部好きです応援してます、今後とも応援させて頂きます! (7月28日 22時) (レス) @page47 id: cd8b5937a1 (このIDを非表示/違反報告)
功徳(プロフ) - ???さん» ありがとうございます!よかったです!嫁との仲直り(気色悪い隠語)はさぞかし優しくて愛情を感じるものになったと思ってます(でも結局夢主が最終的に結婚を認める形式で浮気を最初に許容したのが悪い) (5月29日 17時) (レス) @page50 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
??? - 初コメ失礼します。作者様の作品に一目惚れし、バットエンドやシリアスが好きになった者です。最後の最後にデュースが爆弾をぶっ込んで来て、頭を抱えていても立ってもいられなくなりコメントしました。作者様の書く小説が大好きです。失礼しました。 (5月28日 23時) (レス) @page50 id: fb57b657b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたし | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年1月8日 20時

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