【ツイステ】式の日【デュース・スペード】《完結済み》

44話 ページ46

「あと何……？なんか……あー農薬もう怖いから別の死に方をするかも……あとは……なんだ……」

「思ったよりレパートリーがないな」

「ごめん今頭回ってない……」

「それはそうだな……ここ掃除していいか？ここというか、家中……汚すぎる」

「ありがとう……いいようにしてちょうだい」


デュースはそれからせこせこ歩き回って、部屋の掃除をして俺の服を交換したり、飛び散っていた吐瀉物を拭いたりとしてくれて。申し訳なくてありがたくて悲しくてちょっと泣いてしまったが、ちょっとだったので誤魔化せたような気もする。

十分すぎる、と思った。好きでいる理由なんて、もう十分すぎるくらいある。ずっとあったと思う。見ると辛いから見ないふりをしていただけで、ずっとそこにあった。


「君の判断がついたらそれに従おうと思っている」

「……」

「君が何を言っても従う……従いたい。僕は君に死んでほしくない……幸せでいてほしい。でも正直、それ以外にはあまりないから……順番として君が先だったことに違和感はずっとあったが、子どものこともあって」

「……」


お互い同じような感じだ。だからこそ停滞してこうなっているのだろうが。


「純粋に、妻と居るより君と居る方が楽ではあるが」

「……まああんだけ大騒動起こしたらな」


信用ももはやされないだろうし。俺が少し間違っていれば今のデュースの嫁になっていた気もして、それが少しだけ怖い。


「君の方が僕のことを好きな気がするし、ずっと」

「……」

「だから驚いたんだ、気持ちがわからないと言われて……本当に驚いた。好きって言ってもらえると思って疑ってなかった……」

「すごい奴だな本当にお前は……」


俺からの好意を微塵も疑っていないらしい。全くすごい奴だ。

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