【ツイステ】式の日【デュース・スペード】《完結済み》

41話 ページ43

「やりたいこと無いんだったら死んだ方がいいってもうわかったもん……ああダメだ元気がなさすぎて本腰入れて死ぬ気にもならねぇ」

「そんな元気、なくて結構だ……まだ水飲めるか？」

「うん……お前マジ優しいね……神さま？」

「なんでもいい……」


どうにでもしてほしい気分だ。側に居られるのが、居てもらえるのが嬉しくて。体温がもっと嬉しい。肌が擦れ合う度にくすくす笑いそうになる。俺がいつかしてって頼んだ口移しをして貰えるの、口内環境とか考えると、とてもこっちから頼める状況じゃない分いつにも増してめちゃくちゃ恥ずかしいけど、でも嬉しい。


「薬とか貰ってないのか……？」

「飲んでも吐いちゃうから……」

「なんでそんな状態で退院して来たんだ！？」

「なんか……覚えてない……なんでだっけ……でも前よかマシになったんだよ前はずっと点滴されてた」

「今も点滴された方がいい絶対に……」

「吐くの3割くらいになってるから大丈夫。嫌だよ再入院」

「薬の袋どれだ……？」

「そこら辺に散らばってる……」

「どうすれば吐かないとかあるか？」

「吐かないようにしてりゃある程度は耐えられる……」

「じゃあ耐えられるな？口移しと普通どっちが飲めそうだ？」

「口移しがいい……」


そっちの方が吐きそうだとは思ったけど、口移ししてもらえるなら気合いで耐えてやると思った。


「じゃあ飲むやつ探すから待っててくれ……まず胃薬……」

「あれ……ちょっと待ってお前……結婚式したばっかで口移しとかダメに決まってんだろ……」

「……本当に頭が回ってないんだな？」


処方箋を見ながら、胃薬を見つけたらしいデュースがそれとお茶を手に持って俺の前に座ってくるから胸を押す。


「あっちょっと待てマジでダメだっダメだってぐああ……」


胃薬、苦かっただろうに口移ししてくれて嬉しくて、しっかりと飲み込んだ。大丈夫だと思う。気合いで。


「……身体に力も入らないのか？」


俺の抵抗が言葉と反対に弱かったことが気になったらしくデュースが聞いてくる。


「違うよ戯れてるだけ……その気になれば立って歩けるくらいには大丈夫だよ」

「……そうなのか」

「心配してくれてる？」

「当たり前だろ？」

「優しいね」

「……他に辛いところは？」

「頭が痛い……けど薬、胃がイカれるからあんま飲まない方がいいみたいなんだけど」

「耐えられるなら飲まない方がいいか……」

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