【ツイステ】式の日【デュース・スペード】《完結済み》

40話 ページ42

「──A！」


揺さぶられて目が覚めた。焦点が合わないと見るや、どこかに電話をかけ始めるのでそれを奪って切った。軽くえずく。バケツを探して手元に近づけた。


「やめて……違う……」

「だ……大丈夫なのか！？救急車は！？」

「違う……違うの……あとで全部話す……無駄だからこれ病院行っても」

「何が起きた……？アルコールじゃない……なんで……？」


嘔吐している割にアルコールの匂いがないと、そう気づかれたらしい。

ふわふわとしていて気付かなかった──デュース？


「なんでお前ここっ……うわっ頭痛い……なんでお前ここいるの……？夢……？」

「変な薬でもやってるのか……？」

「後で全部話すから警察も救急車も呼ばないで……お水ほしい……」

「あ、ああ……今お茶持ってるんだがお茶でもいいか……？」

「なんでもいいよ……はやく飲まして……」


水を飲めば少しは頭痛もマシになってくれそうだ。吐き気も、吐けば少しはおさまるし。


「……口移しの方がいいのか？」

「俺の口めっちゃゲロの味するし最後にいつ歯磨いたか覚えてないよ……感染する病気とかではないけど……」

「それはいいし、感染する病気なら君だったら最初に言うだろうから」

「ああ……でもお前居てくれるとめっちゃ安心する……このまま1人で死ぬんだと思った……来てくれることあるんだ……神さま……？」

「……どこまで把握してる？体調悪くしたのはいつだ？状況見るに結構長いよな？……もう少し早く来ればよかった僕は君が話をしたくない気分だと思ってたんだでもあまりにも長いから……大丈夫か……？」


聞いておいて抱き竦めて口移ししてくるので、幸せな気分になってしまった。


「お前が出てってすぐ死のうと思って農薬飲んだの。で病院行った。これ後遺症……うぶぇ」

「……は」

「結婚式行けなくてマジでごめん……俺なんかわかんないけどお前らが結婚式挙げることなんとなくわかって、招待状届く前に死なないとって思って……死ぬのお前のせいにしたくないもん」

「……」

「ってか俺の夢ってなんだっけ……？ずっと聞かれてるんだけどわからなくて……なにになりたいんだったっけ……なにしたいんだったっけ……」

「今はそんなこと考えなくていい、休んだ方がいい」

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