35話 ページ37
「真実に聞こえてるなら真実だったと思うんだけど」
「何……なんだ、その、言い方」
「あんまはっきりわかったことねーし、自分の気持ちとかそんなモン」
「……なんで、それなら、告白なんて」
「お前が危なくて、どっか落っこちそうだったから言うこと聞いてほしかったんだよ。幸せになってほしいって言うのだけは本当──」
「不幸になってる！お前のせいで不幸になってる！！！僕は！！！」
俺の胸ぐらを掴んで揺すりながらそう言ったデュースはボロボロと涙を溢していた。何の感慨も起きなくて、それに対する申し訳なさが残った。
「お互いに多分そうなの、気付いてたよ俺。ほんとに間違いだった。ごめんなさい。本当に」
「また投げやりだ！！！」
「……」
心からの言葉だった。しかしそう聞こえるなら黙るしかない。放ってから考えると、実際そう聞こえる気もした。
「本当に嫌いになりそうだ、君のこと」
「……」
「そんなにわからないなら、僕が君にしでかしたと思っていたこともわからなかったんじゃないのか？君の中ではなにも無かったんじゃないのか！？」
「……」
デュースは笑っていた。まるで俺みたいに。
何を考えているのか必死に辿るような目をしているが、俺は本当に何も考えていないから申し訳がない。
「わからなくなってるんだよ、もう」
「はぁ！？」
「そりゃその事に対しても最初はびっくりしたし本当に驚いたけど、まあそういうこともあるよなって思って」
「……」
「自分がどうしたいのかがわからないし、ずっとどっちでもいいし、どちらを選んでも過去は正当化するしかないから、現在の全部を否定することになるから」
「……」
胸ぐらを離される。俺はデュースから目を逸らした。
「……お前のせいもあるよ？」
「……」
「期待させておいて裏切られ続けたら、こうなっちゃうだろ」
「……」
「あ、今更思った。お前はそういうことする奴じゃないから好きだったのかも」
「……そ、」
「合意じゃなかったってわかってるけど、ガキできても、それでも俺を選んでくれてたら違うに決まってる……言ってて気持ち悪くなってきた。俺にそこまでの価値ないよ。お前もそう思ってそっち選んだんだし、それでいい……」
「……」
「結局俺が悪いんだけどさ。言えるうちにもっとわがまま言っときゃよかった」
「……」
「お前は俺のことさほど好きじゃなくて、俺もお前のことさほど好きじゃなかった。これだけだろ、この話。俺何回も同じこと言ってるよ言い方だけ変えて……」
「……」
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功徳(プロフ) - くずきりさん» わーい‼️全部読んでくださってる……いつもありがとうございます🥰今後ともよろしくお願いします💦 (11月10日 22時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
くずきり - 初コメ失礼します、語彙力イカレてますがぶっ飛びそうな位好きです。主可愛くて愛おしいしスペード可愛い極まりないのに最後でうわ〜て感じ噛まして来て、結局お互いの事も自分の事も一番みたいな…作者様の作品全部好きです応援してます、今後とも応援させて頂きます！ (7月28日 22時) (レス) @page47 id: cd8b5937a1 (このIDを非表示/違反報告)
功徳(プロフ) - ？？？さん» ありがとうございます！よかったです！嫁との仲直り（気色悪い隠語）はさぞかし優しくて愛情を感じるものになったと思ってます（でも結局夢主が最終的に結婚を認める形式で浮気を最初に許容したのが悪い） (5月29日 17時) (レス) @page50 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 初コメ失礼します。作者様の作品に一目惚れし、バットエンドやシリアスが好きになった者です。最後の最後にデュースが爆弾をぶっ込んで来て、頭を抱えていても立ってもいられなくなりコメントしました。作者様の書く小説が大好きです。失礼しました。 (5月28日 23時) (レス) @page50 id: fb57b657b4 (このIDを非表示/違反報告)
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