31話 ページ33
俺のそれを見抜いている奴は結構多かっただなんて、言ってどうするんだろう。罪悪感と常に一緒に生きているだなんて、言ってどうする？今はそれに押されて本当に動けなくなっていて、誰かに助けてほしいだなんて。許してほしいだなんて。
「デュース、助けてよ、俺のこと」
「助けたい！」
そう言って手をぎゅっと握ってくるデュースが、こちらを焦ったような顔で見ていて。本当に助けたいと思っているらしい。
「ん」
「ん！？」
だからキスしてしまった。もう終わりだ、と俺が笑っていた。今この状態から一刻も早く抜け出す為にそれを選択した俺は、きっとこれからもそれを選択し続けて──ただ、それを続ける限り根本的な解決にはならない。だってデュースは何もわかっちゃいないからだ。
お互いにわだかまりが残ったまま日々が続いて、そのうちお互いに短い会話をするのも嫌になるだろう。そうなると、きっとその後は何をするにも──こうするのにだって──嫌悪がついて回る。何をしていたって、きっと嫌悪を忘れられない。お互いに。
デュースもこんな奴嫌だよなって思う。そんなことはハナからわかっている。理由のわからないことで不機嫌になられて、それを延々と宥めないといけないのは本当に嫌だろう。わかっている。
「デュース、好きだよ、俺はデュースのこと大好き」
「……」
「本当だよ。嘘じゃない。皮肉でもないよ。本当にただ好き」
「……どうして」
どうしてなんだろうか？
わかんねーよそんなもんさ。無理矢理好きだって言って自分を洗脳しようとして頑張ってんだから。
頑張って好きなとこ見つけようとして顔を見やると、随分と綺麗で。
「顔が好き……」
「……は？？？」
「声も好き……」
「そ、そうか……君は本当に印象が変わったな」
そうだよ俺こんなこと言う奴じゃなかったの本当は。そんな表面的な──そういう部分を好きとか、だからデュースが好きとか、そういうこと言う奴じゃなかったのに。でももう、それ以外に褒めるところがわからなくなっちゃってんだよ。俺そんなこと本当はどうでもいいのに。そのはずなのに。
「そうなのか……」
でも、デュースはちゃんと少し嬉しそうにしている。それが悲しくて仕方がなくて、もう一度キスをした。
するとキスを返してもらえて、喉の奥にくすくすと自嘲と侮蔑の笑いが出た。それを上機嫌の合図と取ったらしく、デュースは尚も深くキスをしてきて。何度目の思考停止だろうか。
俺はきっと、最初から何も考えなければよかったのだと思う。
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功徳(プロフ) - くずきりさん» わーい‼️全部読んでくださってる……いつもありがとうございます🥰今後ともよろしくお願いします💦 (11月10日 22時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
くずきり - 初コメ失礼します、語彙力イカレてますがぶっ飛びそうな位好きです。主可愛くて愛おしいしスペード可愛い極まりないのに最後でうわ〜て感じ噛まして来て、結局お互いの事も自分の事も一番みたいな…作者様の作品全部好きです応援してます、今後とも応援させて頂きます！ (7月28日 22時) (レス) @page47 id: cd8b5937a1 (このIDを非表示/違反報告)
功徳(プロフ) - ？？？さん» ありがとうございます！よかったです！嫁との仲直り（気色悪い隠語）はさぞかし優しくて愛情を感じるものになったと思ってます（でも結局夢主が最終的に結婚を認める形式で浮気を最初に許容したのが悪い） (5月29日 17時) (レス) @page50 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 初コメ失礼します。作者様の作品に一目惚れし、バットエンドやシリアスが好きになった者です。最後の最後にデュースが爆弾をぶっ込んで来て、頭を抱えていても立ってもいられなくなりコメントしました。作者様の書く小説が大好きです。失礼しました。 (5月28日 23時) (レス) @page50 id: fb57b657b4 (このIDを非表示/違反報告)
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