私の彼氏は気分屋すぎて困ります。【短編集】＊zwei

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「…ッ？！」


そんな…そんなことって。


それじゃぁ、加古川さんはコイツに虐められて退学したの？


こんな屑みたいな女にありもしない噂を流されて…？！


「わかるぅ？逆らったらどうなるか。そうなりたくなければ…今日中に別れることね。
　今日中よ？まぁ加古川の『１時間以内にこっから飛び降りろ』に比べたら安いものよね−！」


桜木は高笑いをすると、バッと私を離した。


「虐められるの覚悟で仁様と付き合い続けるか、別れるか。
　まぁどちらにせよあなたはバッドエンドだけどねー！」


そういって、彼女は取り巻きと共に去って行った。


「…何でぇ？」

１人取り残された私は、滲み出そうな涙をこらえていた。


桜木さんが、仁の子と好きだってことは知っていた。


だけど…でもさぁ。ここまで普通、する…――？


私だけじゃない。大嫌いってだけで加古川さんを退学にまで追い込むなんて…最低だ…。


そんな彼女は、私に今日中に仁と別れることを要求してきた。


別れなかった場合は大輝と二股をかけているという噂を流すという条件付きで。


「何で…！！」


汚いトイレの床であると言うことも忘れて、両手の拳を地面に叩き付ける。


私が虐められるだけなら、それでいいのに。


なのに大輝まで巻き込まれるなんて…そんなこと。


もし噂が流れて、大輝にまで被害が及んだら…私…


彼にまで被害が及ぶというのなら…答えは１つに決まっている…！


「…ごめん、仁」


私は滲む視界の中、ふらふらと立ち上がった。


――仁と別れる決心をして。

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