私の彼氏は気分屋すぎて困ります。【短編集】＊eins

委員会 ページ16

「ね〜Aは委員会どこに入るか決めたの？」


翌日に後期の係り決め＆委員会決めを控えたある日。


雅が、唐突に私に尋ねてきた。


…はっきり言おう、答えるのは面倒くさい。


だけどなんだか雅が可哀想なので、答えてあげることにした。


「え〜…特には。でもあれって強制参加じゃないんでしょ？？」


私は溜息交じりに、「面倒くさい」を露骨にしながら答えた。


そう、係りは絶対に入らなくてはならないが、委員会は強制的にやるわけではない。


それに私は特にやりたいなんて思っていない。


だから特に決めなくてもいいわけなのだが…


「だああ！そうだけども！！でも入るとしたらってことで聞きたいの！！」


まるで「うにゃぁぁぁ！！」とでも謎の呻き声がでてもおかしくない様子で言う。


…雅が、我儘モードに入ってまで聞きたいという…。


ここで少し彼女について話そうか。


彼女は私の友人。普段は真面目だが、たまに我儘…幼稚っぽくなる甘えん坊。以上。


…こうなった雅は手の付けようがない。


私は再び溜息をついて、「本当に入るとしたら」ということで。


「う〜ん、強いて言うなら放送かな？…大輝はどうなのさ？」


「えっ？俺っ？」


私はしぶしぶ答えた後、近くにいた男友達である榊大輝に問った。


近くにいた…厳密にいえば私たちのやり取りを傍観していた彼は、いきなり話題を振られ驚く。


「んー…体育委員かなぁー…。でも俊介がライバルかもなぁ…」


彼はポリポリと頬をかきながら、何かを思い出すような眼をして言う。


「あー、確かにねー」


何が面白いのか、キャッキャと笑う雅。まだ我儘モードは続いてるらしい。


でも彼らの言う通り、体育委員争いの俊介と大輝はこのクラスの名物だ。だって前期がそうだったから。


結果は大輝の敗北。彼はリベンジを果たすのだそうだ。


「そっか。じゃぁなれるといいね」


「おうっ」


私がそう言うと、彼はグッと親指を立て、ニカッと笑う。


その笑顔は、どこぞの飲料ＣＭに使えそうなほど爽やかだった。


だけど次の瞬間…彼は笑顔を戻して、奇妙なことを言い出し始めた。


「あ…でもAは…あんまり属しない方がいいと思うぞ…？」

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