実はマネもう一人いるんだよ【梟谷】

#4　迷子…かも ページ5

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ここは誰。私はどこ？


瀬戸A高校二年生


絶賛迷子なんだけど。


こうなる前の記憶を遡ってみよう。


バスに乗って、揺られること20分。商店街を抜けた先のショッピングモールの中にあるスポーツ用品店でリストの品を買う。

……ここまでは順調だった。


あまりに順調過ぎてアイスを買ったのが間違いだったんだ。


「ご来店、ありがとうございました〜」


トゥルルルトットゥールトゥトゥルルルー♪


「バス停ってどっちだっけ。。。」


コンビニに寄ったことによって、右と左が分かんなくなっちゃったんだ。


そして今の状況に至る。


自分の勘を信じてテキトーに進んでたら都会から離れて住宅地に入っちゃった。


てへ


まーどうせ帰れるでしょ。


漫画とかも結局迷子になっても最後無事に帰宅出来てるから私だって大丈夫のはず。


そんな時、私のポケットから聞き慣れた電子音がなった。


"新イベント開催！"


ゲーム画面に表記されたその一文を見て私のテンションは爆上げ状態。


こ、これは早くプレイしなくては！！


イベント開催したての時って案外ランキングがあがりやすい。


だから出来るだけ楽にランキング上位に上がりたいのならばイベント開催と同時にゲームやりまくるのをおすすめするよ。


ちょうど座れるとこないかな…


キョロキョロと見渡せば、すぐそこに小さい公園があるではないか。


私はブランコに腰をおろし、改めてゲームを起動させた。


ーーーーーーー



あれからどれくらいが経ったのだろう。


ランキング上げに夢中すぎておつかいの帰りだと言うことを忘れていた。


無事ランキング二位の座を確保でき、少し満足。


ぶっちゃけ二位はほぼ毎イベントの度に入っているが一位になったことは一度もない。


それも、すごいプレイヤーが一人いるからで、毎度のごとく一位を首位しているのだ。


多分かなりやりこんでいるのだろう。一度でいいから語り合いたい！


にしても、空が少し赤みを帯びている。もうこんな時間か。。



『さっ、帰……』


さっ、帰ろう。


そう言おうとしたが、あることを思いだし、言葉が詰まる。



そうだ、そういや私は迷子だ。


一番重要なのにすっかり忘れてた。


さてと、どうしましょ

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