実はマネもう一人いるんだよ【梟谷】

#32 マネージャー不在 ページ34

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音駒にもしっかりボトル籠を届けたし、あと残すは1校!!



えっと青城は白福さんが配ってくれてるみたいだから稲荷崎か……



『……よっこいしょ』



先程同様に人数分入ったボトル籠を持ち上げた



相変わらず重っ



さすがに給水機のとこ含めたらこれを3周ほどしてるわけだからけっこー腕限界……



暑さも相まって思わずげんなりしていてふと思った



稲荷崎って春高優勝候補なんて呼ばれるくらいなのになんでマネージャーの1人や2人居ないんだろーなって




プレーヤーのなかに極度の女嫌いとかがいんのかな？？




………………………まーいいや



考えても無駄だしね。頭使うのが勿体ない



私は早い段階で考えることを放棄した





『……あのー、、、良かったらドリンクどーぞ』



ボトル籠を手に声をかければ稲荷崎の主将さんがいち早く反応して来てくれた



お出迎えの時でもそうやけどほんと主将っぽい主将さんだな





北「わざわざ準備してくれたんか？」


人数分きっちりのドリンクを見て主将さんは目を丸くする



北「大変やったやろ？？わざわざありがとぉな」



主将さんは優しく微笑んだ


これで何人の女の子を落としてきたんだろ……


そしてそしてさりげなく重いボトル籠をすぐ持ってくれるとこもポイント高め





もう女子はイチコロだね




その後主将さんは監督に呼ばれてどっかに行ってしまった



私ももうそろ梟谷のとこに帰還した方がいいよね



ぶっちゃけもうドリンク渡したからお役御免でしょ



よしゃ帰ろ





「……おい、ちょい待てや」




『…ん？』




どことなく不機嫌そうな声が私を引留める




声の主を振り返れば稲荷崎のパツキンの人が私をきつく睨んでた





なんだなんだ？やっぱドリンク口に合わなかった？



でもドリンク合わなかったくらいでブチギレる？…はて



パツキンの人は少し私との距離を縮め、口を開いた



「お前北さんのこと落とそうと媚び売っとったやろ！
そーゆうの鬱陶しいんや！マネージャーなんやから俺らの邪魔すんなやこのメス豚が！」




……えー？？



なんでこんな散々言われてんの私



全く身に覚えのないことばかりを並べられてプチパニック




ひとり悶々と考えていた




『………………あ!!』


そこで私はﾊｯとする


「急にこっち見つめてきてなんやねん！言っとくが俺はお前の色仕掛けなんざ通用せんからな!!」




『稲荷崎にマネージャー居ないのこの人のせいでしょ！』

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