実はマネもう一人いるんだよ【梟谷】

#2　ランチ会 ページ3

youside


……カーンコーン


予鈴の音で目が覚める。


「ここテスト出ますからね〜」


『……どこが出んの』


ここがテストに出ると告知しながら黒板を消していくから寝起きの頭にはちょっと理解が追いつかん。


あとで赤葦に見せてもらお。


何事もなかったように授業を済ませ、そのあとに待っているのは昼休み。


赤「A、屋上行こ。」


『ん。』


赤葦に連れられ、いつもの屋上に上がる


待っていたのはいつものバレー部メンツだった。



兎「お、あかーし！A〜！」

鷲「こっちこっち。」


バレー部の先輩方は一足先に集まっていたみたいで、少し遅れて私と赤葦の合流。


まあ、三年と二年では階層が違うから早く着いても仕方ないよね。


赤葦は木兎さんの隣に、私はその隣に腰をおろした。



雀「んじゃ、みんな集まったことだし早速食べよっか」


待ってましたと言わんばかりにみんな一斉に手をすすめる。


梅雨がちょうど明けたばかりで空は少し眩しい。


『……太陽のせいで画面が見えにくい』


ゲーム画面の明るさを最低に下げてやっと見えるくらいで不便でしかなかった。


赤「先に弁当食べちゃいなよ。そしたら日が隠れるかもしれないし。」



まあそれも一理ある。


一旦ゲームを手放して弁当に手をかけた。


『……いただきマンモス』


ﾍﾟﾘｯ


赤「……なんか昼ごはんにはそぐわない音が聞こえた気がする。」


『……うめぇ』


兎「なんだなんだ？？チー…タラ？
お前まさか昼飯そんだけか？」


『……まさか』


指一本くらいの大きさが昼ごはんなんて耐えれないよ。


私は、横にかけておいた袋を見せる



『一袋分はあります。』


どや

白「美味しそ〜!!一個ちょうだい〜」


『……ダメ』


白「え〜」


チータラは譲りやせん。断じて


赤「こら、ちゃんとした弁当持ってきなさい。
不健康だから。」


赤葦はあきれ果てたように私のお弁当(?)にケチをつける


やっぱなにかと赤葦はお母さんみたい。


『…考えとく』


赤「はぁ…(Aの考えとくはイコールその場凌ぎのくせに)」


木「あらぁ〜赤葦宅の娘さん反抗期なのね〜」


赤「みたいですね。」


誰が反抗期だ。


黙々とチータラを食していれば、先ほどまで照っていた太陽がふと大人しくなる。



赤葦の予言通り日光が雲で隠れて少し落ち着いたみたいだ。


『…おしゃ、』

私は、2限目の物理の間にこっそり進めていたクエストを再開させた。

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