君と僕の方程式【mfmf】

32話 ページ46

子供の頃、夢があった



それはモデル



昔から可愛い可愛いともてはやされた私は、幼稚園の時には既にモデルになりたいと思っていた



私の夢に両親も親戚も友達も



みんなが応援してくれた



けど、そんなの小学校の高学年くらいまでだ



中学に上がっても、モデルが夢だと言う私に親は呆れた



簡単になれるものなんて思ったことない



そのための努力だって沢山してきた



歩き方も、体型もそうだし



勉強だって、運動だって頑張った



スカウトだってされたことがあった



親に言われた



あなたが知ってるのはほんのひと握りの人達。成功なんて絶対しない



うるさい、と思った



お前には無理だ。と言われても、本当に無理かなんてわからない



私は夢を追いかけた



先生との面談だかいうやつも、先生は安定した職を選べと言った



成績はいいんだし、いい高校に行って、いい大学に行って、しっかりと仕事をしろと



間違ってない



けど、それは私が望んでいる未来じゃない



私はだんだん、私の夢を誰かに話すことが怖くなった



ある日、同じ小学校だった子に話しかけられた



今も夢はモデルなのかと



少し答えるか迷ったが、恥ずかしい仕事なんかじゃない。誇りある仕事だ



私は強くうなづいて、今も目指していると彼女に言った



彼女は笑顔で、絶対なれる、応援してると言ってくれた



その一言が嬉しくて、涙が出そうになった



だが、教室に忘れ物をし、取りに戻った時



Aはモデルになりたいと今も言っていて、調子に乗っている。と



彼女が笑っているのを聞いてしまった



怖くなった



私の夢を応援してくれてる人は一人もいない



応援されたいの？認められたいの？



そう言われるかもしれないけど



誰にも認められない夢を追い続けるのは、ひどく苦痛だった



夢を見つけろ、語れ、叶えろ



そんな世界を教えてきたそいつらに腹が立った



こんなことになるなら間違ったことを教えてなんかほしくなかった



お前らが言いたかったのは結局こうなんでしょ



身の丈にあった夢を見つけろ

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