37話 ページ38
「これ。…受け取って、ほしい…の」
志麻「え?」
渡された、白くて小さい紙の袋
志麻「な、なんで…?」
「…まーしー、いっつも送ってくれたり、遊んでくれるから、特別にお土産。…なんだけど」
告白じゃなかったとちょっと落ち込む
ただ、普段のお礼だとしても『俺だけ』っていうのが嬉しすぎて
志麻「えっと、…開けていいの?」
目をそらして頷く
ゆっくりと、破けないように開けると
志麻「…ピアス?」
そこには、紫色のガラスでできたピアスが入ってた
志麻「えーっと」
「ごめんね!!!」
志麻「え?」
「このピアスね、小樽のガラス細工屋さんにあったの。綺麗で、まーしーに!って思って、勢いで買っちゃって…」
また俺に近づいて髪を耳にかける
「…まーしーチャラいからあいてると思ったのに…あいてなかった…」
申し訳なさそうに瞳を伏せて
「間違っちゃった…ごめんね…これイヤリングにできるか聞いてみる…」
志麻「大丈夫。開けるから」
「え?」
志麻「開けるよ」
「え!?いやいや!!いいよそこまでしなくて!!!」
志麻「せっかく貰ったんだし」
「いやいやいやいや!!!」
手を伸ばして、ピアスを取ろうとしてくる
志麻「俺に似合うと思って、買ってくれたんでしょ?」
その手を捕まえて、顔を見合わせた
「…ほんとは、朝あげたお土産だけだったんだけど…たまたま見かけて…まーしー似合いそうだな、って…」
夏休み中、俺がお前のことを考えてた何億分の1にも満たないんだろうけど
何かを見て、俺を思い出してくれたのが
綺麗なものを見て、俺にあげたいと思ってくれたのが
…一瞬でも、俺のこと考えてくれたのが
それが、めちゃくちゃ嬉しくて
志麻「絶対あける」
「でも…」
志麻「じゃあ代わりに俺のわがまま聞いて?」
「え?なに?」
志麻「Aに、あけてほしい」
「…え?そ、そんなことでいいの?」
志麻「うん」
「でも、流石に申し訳な…あ!!」
志麻「うん?」
「私もあける!!」
志麻「え?」
「ね?私のはまーしーがあけて!」
志麻「んだよそれw」
「私のせいでまーしーだけ痛い思いさせられないもん!」
これで解決というように笑うAがかわいくて、笑いあった
曇り空の星一つない夜空が、何故か輝いて見えた
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つな(プロフ) - *鈴架▽歌*さん» そちらは大丈夫でしたか…?はい!お互い頑張りましょう(っ´ω`c) (2018年9月8日 12時) (レス) id: 9c5751c726 (このIDを非表示/違反報告)
*鈴架▽歌*(プロフ) - 私も北海道なんですよーお互い大変ですけど頑張りましょう!! (2018年9月8日 11時) (レス) id: b7acdc089a (このIDを非表示/違反報告)
つな(プロフ) - ホルン吹きの変人@更新再開さん» ちょっと焦りましたが大丈夫でした!とても励みになりました。ありがとうございます! (2018年9月8日 10時) (レス) id: 9c5751c726 (このIDを非表示/違反報告)
つな(プロフ) - rai*さん» 大丈夫でした。お優しい言葉ありがとうございます。とても励みになりました! (2018年9月8日 10時) (レス) id: 9c5751c726 (このIDを非表示/違反報告)
つな(プロフ) - ゆきのさん» お優しい言葉ありがとうございます。とても励みになりました! (2018年9月8日 10時) (レス) id: 9c5751c726 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すりらんか | 作成日時:2018年8月5日 15時