君は絵の具じゃ描けない【snr】

17話(センラ) ページ18

「あれ？折原くんは課題終わってたの？」



センラ「あ、うん」



「そうだったんだ」



不思議そうな顔で見てくる



そうだよな、じゃあなんで？って感じだよな



センラ「俺もなんか描こっかな」



Aさんの隣にあいつが座ろうとしたのがなんか嫌で、その席をぶんどる



『なんだよセンラー！教えて貰いにくいだろ！』



そう言ってそいつは反対側の隣を陣取った



…なんか





「折原くん、何描いてるの？」



センラ「これは夜景だよ」



「…オシャレ、だね！」



センラ「…。難しいんだよなぁ…こことかどうすればいいんやろう」



「上手だよ、折原くん」



センラ「またそうやって誤魔化して…」



『Aちゃーん、ここどんな感じで描けばいいのかなぁ』



「あ、そこはこう…なんていうか力を抜いて…しゅっしゅって…」



『こうー？』



「あ、もっとこう、えーっと、筆の角度かなぁ…」



『角度ー？』



絵のことになるととても真剣な彼女と、絶対話したいがためにしつこく聞いてるこの男



友達やめようかな。まじで



「うん。角度」



『こうかなぁー？』



「ううん。えーっと、こう」



『！！』



センラ「っっ！？」



何回言っても出来なかったそいつにまどろっこしいと感じたのか、後ろから抱きしめるような体制



習字とかでよく見るし、絵でもあるんだけど、ちょっとまって



手も、そいつの手に重ねて筆を持ってて



「そしたらこういって…ほら、できた！」



『あ、う、う、うん』



明らかに動揺して集中してないし



ていうか、俺が聞いてもそういうのなかったやん



え？俺には触りたくないの？え？



…ていうか、俺より距離近くね？

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