君は絵の具じゃ描けない【snr】

11話 ページ12

学校につくと、いつもより視線を感じる気がする



視界が妙にクリアだから気になるだけ？？



見られてるなんて自意識過剰？？？



『髪切ったんだねー！かわいいー！』



「あ、うん、えっと、ありがとう」



話しかけられたことの無いクラスの女子に若干ビビる



急にきたね、びっくりしたよ



その後もいろんな人が話し掛けてくれて、まるで充実した高校生。いわゆるリア充みたいな一日を過ごした



けど、本番はここから



放課後、貴方がどう思うか



それで髪を切ってよかったか良くなかったかが決まるのに



…決まるのに…



「…雨」



外はあいにくの雨



雨の日の陸上部は体育館での活動か、お休みになるから会えない



いっつも雨の日は嫌だったけど、今日は特別嫌



1番会いたい日だったのに



いつも折原くんがもたれかかっている窓に手を置く



「……会いたいなぁ」



今日は特に、会いたかったな



まあこんな時もある。仕方ない。前向きに



雨の日はいつもよりたくさん絵を進めて、次会えた時に褒めてもらうって目標も立てたし



頑張 【ｶﾞﾗｯ】



突然空いた美術室のドアに驚いて振り向く



そこには少し落ち着かない表情の折原くんが立ってて



「…え」



センラ「…えーと、お疲れ様」



「え、ど、どうして…部活は？」



センラ「あ、今日、休みで」



「えっ、と…」



どうしてここに？



って、聞きたいんだけど、それを聞いたらまるで来て欲しくなかったみたいに聞こえそうで怖くて



だって、どういう理由であれ、会えたことが嬉しすぎて



センラ「…暇になっちゃったから、話したくて来ちゃった。…ダメかな？」



「ダメなわけない！！」



今が人生のピーク。間違いないです

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