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胡蝶 side
森の奥に進むと、集落にあった小屋より大きく
門や庭園の整備もきちんとされていた屋敷が見えた。
中には誰かがいる様子はなかった。
屋敷には、部屋が3つあり1番大きな部屋には
豪華な照明や煌びやかな内装だった。
そして、畳からはかすかに鬼の爪痕のようなもの。
恐らく、鬼のアジトの様なものなのだろう。
他の2部屋は研究室になっていて
人の骨や実験道具のようなものが並んでいた。
私は、棚にあった書類を見ようとした時
男性2人のような声が聞こえた。
?「…アノ娘はまだ喰うな。そして失敗はするな。」
?「……畏まりました。」
声のする方へ向かう。
すると、一人の男は既に居なかった。
鬼「…盗み聞きは良くないね。」
鬼は私の気配に気づいていたのか振り向かず話す。
胡「…盗み聞きではありませんよ。たまたま通り掛かっただけです。」
鬼は静かに声のする方へ振り向く。
目には 下弦 弐 と刻まれていた。
鬼「…アノ娘は渡さないし、研究の邪魔もさせない。」
そう告げると、鬼は指を鳴らした。
その瞬間に羽根のようなものが生えた鬼が
無数に湧き出ていた。
恐らくコイツに鬼にされてしまったのだろう。
胡「やるしかない様ですね。」
無数の鬼達は、色んな方向から飛んでは来るが
力は野良鬼と変わらかった。
そして、残りは下弦の弐のみ。
鬼「…さすがは柱。
しかし俺はお前を殺し上弦になる。」
鬼は血鬼術を使い、尖った羽を手の平から
出し始めた。
羽は刃物のように鋭い。
早く倒さないと長期戦には厄介な術だった。
私は呼吸で毒を使った。
幸いなことに、上弦程の力も無かったので
見る見るうちに毒が回っていった。
私は念の為首をはね、消えていく鬼に
背を向け研究室から書類を持ち出して、
不死川と合流する事にした。
書類には、この村の事や色んなことについて記されていた。
「……まぁ何かの役には立ちますかね。」
空はもうすぐ日の出を迎えようとしていた。
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夢世_yumese_(プロフ) - オリジナルフラグ外しましょう! 違反報告される場合があります。 (2020年3月26日 11時) (レス) id: 093bdce514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:嶺 | 作成日時:2020年3月23日 23時