【ツイステ】ツムにツまれぬ《完結済み》【フロイド・リーチ】 (ページ10)

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8話ページ10

『同等、いいえ、同等より少し上でも、形式として反撃であるなら、十分耐えられたと思います。私もそこまでではありません。でも、あなたのそれは、そうではなかった時もありました。

まだ直接的には何もしていない他者に威圧をかける行為が、無抵抗の、自身より非力で小柄な他者に暴力を振るう行為が(滞納者など、理由があったとしても)私の瞳には、本当に本当に怖く映りました。それに慣れる日は、きっと来ないとわかっていました。それが、前述した〝住む世界が違った〟の言葉の意図です。

けれど、別れを告げるのがこのタイミングになってしまったのは。私はそれが間違っているだなんて、一度たりとも思ったことがないし、これからもきっと、そうは思わないからです。』

……。

『毒のある生き物が警告色を身に纏うような行為でした。あなたの行為は、あなたがそれを意図するかしないかは別として、他者の為でもありました。より大きな未来のトラブルから守るという意味での。あなたは、決して取り返しのつかないようにはしなかった。

また、警告色を身に纏っていれば一撃でどうにかされる確率も減るかもしれませんし、日常的な警戒の習慣はそれを防ぐことでしょう。大抵の取り返しのつかないことは一撃で起きる。なれば、反撃などできようはずもありません。私の言っていることは、感じるあなたの行為への拒否感は、やはり甘いパステルカラーの世界で育ったが故でしかなく。あなたはちゃんと正しく、優しい生き物でした。

それを理解し、あなたの生き方の正当性を認めなかった瞬間すら私にはなかったにも関わらず。

私には、耐えられなかったんです。』

……。

『どうか前述した私の価値観のことは全て忘れて、このままあなたの価値観で生きてください。私の価値観で生きて、あなたが警告を辞めた末、あなたのように優しくない生き物にどうにかされたら、と思います。これは自己満足です。保身です。あなたの為を想ってではありません。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ツムたちは、あなたのお好きにしてください。色々考えたんですが、答えが見つかりませんでした。ので、あなたに甘えちゃいます。本当はふたりとも私が持っていきたかったのですが、私が持ち帰ると、隠れなければ、隠さなければいけなくて、それは彼らにとってストレスになると思って。

重ねて、あなたは、一度も間違っていませんでした。

最初から、住む世界が違っていただけの話でした。

私は、私の世界に帰ります。

　小̶エ̶ Aより』