【ツイステ】ツムにツまれぬ《完結済み》【フロイド・リーチ】 (ページ8)

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6話ページ8

小エビちゃんはびくっと肩を揺らしてきょどきょどとオレとオレのツムに交互に視線を彷徨わせる。オレのツムがオレに思いっきり体当たりしてくる。幾度も幾度も。そいつを掴んで再度小エビちゃんのツムの方に視線を向けると、目の周りが震えているのが見えて、超かわいい。怖いんだぁ、って思った。

「恋人になって。はいじゃあオレがこいつ潰すまでのカウントダウンね。さーん、にー、い……」

小エビちゃんのツムに頭を下げられた。勢いよく。

その頭を指先でやさしく突くと、オレの手の中のオレのツムが大暴れしていておもしれー。

小エビちゃんのツムの腹を横から突くと、オレが腹を触りたいと思ったらしく、触りやすいように体勢を変えてくれる。小エビちゃんのぎゅっと瞑った目はやっぱり震えていて、やる気をなくした。

「……何したらオレんこと好きになってくれんの」

問い掛ける。問い掛けに返答が返ってこなかった代わりに、小エビちゃんのツムはぎゅっと瞑っていた目を開いて、諦めたみたいな色を含んだ上目遣いでこっちを見てくる。

「こいつでいいならオレでいいじゃん」

返答は返ってこない。

「ダメなの？なんで？」

視線を下に下げられた。少しだけ大人しくなっていたオレのツムが突然暴れてオレの手から逃げ出し、小エビちゃんに半ば体当たりみたいにしてのしかかってオレの方を睨んできた。

「なんでオレじゃダメなの？オレのこと嫌い？」

ふるふる、と小エビちゃんは首だかよくわかんねー部分を横に振る。

「やさしくするよ？オレ」

小エビちゃんが紙の方に目をやってきたから、紙とペンを渡して膝を抱えなおした。

小エビちゃんがオレのツムに潰されて書きづらそうにしながらそれを振り払わず──字を、ゆっくり、書くのを待って、取り上げて読むと。

〝大きくて強いから怖いです〟

〝です〟が小さくて、渡してきた小エビちゃんは目線を逸らしているし顔色が悪い。

「あはぁ」

笑い声を上げるオレに、ツムどもが身構えるのを見た。

「やっぱ小エビちゃんは、小エビちゃんなんだねぇ」

小エビちゃんのツムの頭を撫でたげようとすると、オレのツムに邪魔されたからそのまま引っ込めた。

「小エビちゃんも、そのくらい素直に言ってくれたら、よかっ……なんか……違った……？わかんねー……」

ううん。言われてもかわいー、つって確実に流してたオレ。今になったから全部言うこときくって言ってるけど、オレそんなこと言われても不機嫌になるだけだった。