【ツイステ】ツムにツまれぬ《完結済み》【フロイド・リーチ】 (ページ5)

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3話ページ5

小エビちゃんが居た頃は、小エビちゃんがツムの欲しがる食いもんを自分の食事からなんでもあげてたから、ツムに食事がどれくらい必要かなんてこと、考えもしなかった──なんて気付いたのは、オレが寝そべってるとこ、小エビちゃんのツムがおずおず震えながら擦り寄ってきて、どうやら食事がほしいらしいと察したから。

そんなことを言ってくるのははじめてだった。勝手にどこかで食ってるのかもとも考えてたけど──この仕草を見るに、どうやら小エビちゃんが居なくなってから──少なくとも数ヶ月──ただの一度もまともに食事をしてないらしい。基本的に食事の不要な生き物っぽいけど、美味しいものを美味しいと感じる感性があるのにそれはちょっとカワイソーかもと思った。

オレはベッドから起き上がり、いいよぉなにほしい？好きな料理作るよ。メインでもデザートでもいいよ、って言ったけど、小エビちゃんのツムはオレが食ってたお菓子の残りで充分だ、ってぷるぷる首を横に振った。

食いたいならいいよ、って残り全部あげたら、ペコペコと頭を何度も下げて、オレのツムの方へ戻って──そのお菓子を与えていた。

オレのツムは小エビちゃんに頭だけで擦り寄って、与えられたお菓子を小エビちゃんに笑顔を向けながら食ってて、その仕草に気怠そうな、身体を庇うようなものが見えたから──もしかすると、治療の時にだけ必要になるのかも。ちょっとした擦り傷とかはぺろぺろとすりすりで治ってんのよく見るけど、それ以上だと食いモンとか必要になるっぽい。

「……ってかお前にあげたモンじゃねーんだけど」

ムカついてオレのツムを掴もうとしたら、オレの手とツムの間に小エビちゃんのツムが跳ねて飛び込んできた。

反射的にそれを掴んでしまった。小エビちゃんは──表情は手のひらに隠れてわからないけど──恐怖でそういうおもちゃかってぐれーぶるぶるぶるぶる震えてる。

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