【ツイステ】ツムにツまれぬ《完結済み》【フロイド・リーチ】 (ページ11)

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9話ページ11

「……」

今日も寄り添って、何が楽しいのかくすくす笑い合ってる小エビちゃんと、オレの──ツムは丸くて小さくて、腕も足もなくて、どう頑張って威圧しようとしたって、怖い顔するくれーしかできなくて、暴力だって、全力でぶつかってきたって、驚くくらいで、やわらけーから。

「……」

だから、こいつらはこれからも、ずっと同じ世界で生きられんのかなって、思うと。

やっぱ、どう考えても。

「……ずりーって」

オレが小エビちゃんのこと好きになった理由が全部入ってる、小エビちゃんの〝メモ書き〟を大切に、また折りたたんでおく。手紙じゃなくてメモ書きだっつー体裁を守るために、封筒にわざと入れてないのも、小エビちゃんらしくて。

オレ、小エビちゃんと居られるなら、全部やめて、突然刺されて一撃で死ぬ方がよっぽどよっぽどよっぽどマシだったんだよって、別に身長くらい薬でどうにかするし、雑魚威嚇するのもやめるよって──もう言いに行けねーから意味ねーけど。ほんとに意味ねーし、小エビちゃんが自分で言ってる通り、それは小エビちゃんの自己満が許さねーからそのオレの気持ちとか意味ねーし、そんなことが起きた時の小エビちゃんの気持ち考えると、オレもんなことできねーし。

「さいしょっから、つんでたのにねぇ」

最初からオレたち詰んでんのに。道がなくて詰んでたのに、それでも、詰み切って、全部が終わった後も、終わってるはずなのに、どんどん容赦なく降り積もっていく。

ツムっていうの、ほんと皮肉な名前だねぇ。詰んでんのはこっちだっつーの。なんて、笑ってそいつらの方へ近寄ってしゃがみ込むと、自分は暴力振るわれないってわかったらしい小エビちゃんのツムがオレのツムを庇って前に出るから。

オレの小エビちゃんにそうやるのと同じやり方で、頭をやさしくやさしく、大好きだよぉ、って伝わることを祈りながら撫でてやった。

小エビちゃんのツムは、なんでか目を見開いて、オレの顔を見て──見たことない顔してて。ちょっとウケる。