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「……あ。ウィル、時間」
男たちとはなしていたら、既に時間がギリギリ。
「……この辺の学校っつったらダラム大学か？」
「……送ってやれよ、旦那……」
旦那、と呼ばれたその人は、昨日家の前を歩いていた男の人だった。
鐘の音が鳴り響く学校。ウィルが担任をしている教室の生徒が走っているのが見えた。こちらに気づくと手を振ってきた。
「おはよー教授っ！ また寝坊ー？ 今日はカッコイイ
「おはようテイト、お互いギリギリですね」
「おはようございます、テイト」
急いで馬車から降り、学校へ入る。ウィルと男の人は何やら話をしているようだ。
「モリアーティ先生！ 生徒たちが待ち兼ねていますよ！ お早く！」
学長が大声でウィルを呼び、彼はやっとこちらへ来た。
「ウィル、早く。……あ、送ってくれてありがとうございました」
「すみません、また改めて！ 送っていただいてありがとうございましたバートンさん！」
お礼を言ってから、生徒と普段のような会話を始めるウィル。……なぜ、彼の名前を知っているんだろうか？ そう疑問に思ったが、聞くことはできなかった。
授業も終わり、帰路に着く。家の事もしなくてはしなければいけないと言う事で、私は先に帰る事になった。
……このダラムは、今住む屋敷の前の主と少し南にあるダブリン男爵家が治めていた。家に帰り暫くすると、農地が私達の領にあるというひとたちがボロボロの手でお金を持ってきた。
「こ……これでは足りませんか……⁉」
どうしよう、そんなお金は受け取るわけには……。ちょうどその時、ウィルが帰ってくる。
「現行の契約は破棄します」
その言葉を聞き、ホッとした様な表情を浮かべながら帰る人たち。
どうしてムキになっているのか、とアルバート兄さんが聞く。
「新しい相談でもあったのかい？」
「……いいえ、僕にできることは何も無いと言われてしまいました……」
悲しそうに言うウィル。
私でも、一目でわかる。彼等が何をされたのか。あれは隷属者の目だ、と。
「……いつになっても、どこへ行っても……“地獄はもぬけの殻だ。すべての悪魔は地上にいる”」
ウィルの呟いた言葉に、私は何も返せなかった。
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わむ - 完結？ (2021年4月23日 19時) (
レス) id: 6836c6202c (このIDを非表示/違反報告)
黒こげスコーン(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます！ 今週土日には更新再開出来そうなので、頑張っていきます！ よろしくお願いしますね〜m(_ _)m (2019年7月11日 19時) (レス) id: 508af40629 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気によんでしまいました。受験勉強、大変でしょうが頑張ってくださいね。応援しております。 (2019年7月11日 9時) (レス) id: 1d9170a06b (このIDを非表示/違反報告)
黒こげスコーン(プロフ) - りとのおへやさん» コメントありがとうございます〜！！ もうそろそろ更新再開できそうなのでこれからもよろしくお願いします(｀･ω･´) (2019年7月5日 21時) (レス) id: 508af40629 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - 更新頑張ってください！ウィリアム大好きなんですよ！だからこの作品に出逢えたことに感謝です！めちゃめちゃ面白いです！ (2019年7月5日 21時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)
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