＊ ページ17
｢──ならばせめて今、このモラトリアムだけは、思う存分
……ここにいるのは学生ではなく、お客様……そういうこと、なのだろう。
ダドリーさんとの話を終え、再び学生寮へむかう。
着いた瞬間、生徒はこちらを見て｢……げッ｣と驚いた。奥からは、｢やべっ！早く出ろ！｣と言う男の声と、女の子の声が聞こえてきた。床には瓶や紙屑が落ちている。ちらり、とウィルの方を見てみると、かなり怒っているようで、顔から表情が消えていた。
説教が終わり、ずっと休んでいるという“ルシアン”の部屋へ入っていくウィル。その部屋には、アヘンの匂いが充満していた。
｢ウィル……、日記は、1か月前までちゃんとつけてたみたいだよ。最後は殴り書きだけど……｣
『びっくりしたけど嬉しい』『結婚するつもりだ』『でも彼がやめろと言ってきた 話してもないのにどうして知ったんだ？』『父に説明しよう きっと分かってくれる』
“彼”…。その言葉にウィルも引っかかったようだ。
｢あいつ……馬鹿で女たらしな奴だけど……！後輩の面倒もよく見るし、嫌なことでも進んでするイイ奴なんです！｣
ルシアンの友人はそう言う。その言葉を聞いたウィルは生徒の方をちらりと見、問う。
｢……で？彼は君にとって都合のいい奴だから戻ってきて欲しいと？｣
驚く彼を横目に、続ける。
｢彼は将来君より上の爵位を継ぐだろう。今のうちに恩を売っておきたいのかな？｣
｢違う……違います！｣
｢ならどうして彼の肩を持つ？｣
｢……友達だから……、当然ですよ……！アイツはなにか大それた事が出来る奴じゃないんですっ！｣
ウィルの言葉を否定し、“友人”だからと言う彼の言葉を聞き、ウィルは振り向いて微笑む。
｢──宜しい。今の気持ちを大切にね｣
──ウィルは、自分の教室からあの男爵のような人を生み出さないようにしたいんだ。そう、気づいた。
｢……大丈夫、ルシアンのことは私たちがなんとかするから、任せてね｣
｢は……、はい！｣
終わり
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わむ - 完結？ (2021年4月23日 19時) (
レス) id: 6836c6202c (このIDを非表示/違反報告)
黒こげスコーン(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます！ 今週土日には更新再開出来そうなので、頑張っていきます！ よろしくお願いしますね〜m(_ _)m (2019年7月11日 19時) (レス) id: 508af40629 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気によんでしまいました。受験勉強、大変でしょうが頑張ってくださいね。応援しております。 (2019年7月11日 9時) (レス) id: 1d9170a06b (このIDを非表示/違反報告)
黒こげスコーン(プロフ) - りとのおへやさん» コメントありがとうございます〜！！ もうそろそろ更新再開できそうなのでこれからもよろしくお願いします(｀･ω･´) (2019年7月5日 21時) (レス) id: 508af40629 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - 更新頑張ってください！ウィリアム大好きなんですよ！だからこの作品に出逢えたことに感謝です！めちゃめちゃ面白いです！ (2019年7月5日 21時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)
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