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「お前さァ、店で見た時から思ってたんだけどそれ俺の服だろ」

「あら、バレた?」

「バレたじゃないんだよバレたじゃ。常習犯のくせに白々しいんだよ。何か一つ足りねーなと思ってたんだよ」

「あらあら察しのよろしいことで」


よっこいしょと重たげに体を起こすA。座りはしても立ち上がりはしないことからその疲労の大きさが伺える。


「もー疲れた。風呂行けない」

「行け。五日も家出してりゃそりゃ疲れるだろ」

「ちがうよ四日……いや、五日で合ってたかな。まぁどっちでもいいや」

「ホントどっちでも良いから風呂行けって。つか脱げ。洗いてーんだよその着物」

「あーそれでやたら急かしてくるんね。じゃー連れてってよ。動けない」

「は?」

「ついでに背中を流してくれてもいいのよ?」

「調子に乗んな」


そう言いながらもAの腕を掴み、自分の肩に回す秋彦。その様子にAは嬉しそうに口角を上げる。


「やっぱアッキーもあたしの背中流したかったのね」

「それは自分でやれ。今のお前臭い」

「辛辣……」


結局秋彦は脱衣所でAの袴を脱がして出て行った。
「薄情者」と下着姿で呻くAに見向きもせずに。

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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/  
作成日時:2020年10月10日 22時

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