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「おぉぉ…」

「銀ちゃん!これ本当にタダで食べていいアルか!?」

「神楽。いいな、3日分だ。3日は腹がすかないレベルで食え。腹にねじこめ」

「アイアイサー!!」


いつも死んだ魚のような目をしている銀時だが、これにはさすがに目を輝かせてしまう。なんせ目の前には、大量の甘いものが溢れかえっているのだから。


「ちょっと!!こんなおしゃれなバイキングで意地汚い会話しないでくださいよ!!」

「なぁに言ってんだよぱっつぁん。あの大食い小娘を今食わせないでいつ食わせるってんだよ」

「んなこと言ったって、神楽ちゃん今すごく悪目立ちしてますよ」


そう新八は神楽のいる方を指差す。
彼女は皿に盛り付けに対する気遣いを一切せずに山盛りにデザートを盛っている。
それに対し他の女性客はやや怪訝な顔を見せている。

新八は「いや、なんかホントすみません」とAと秋彦に頭を下げた。


「別に良いじゃないの。成長期なんでしょ?成長期に3日分の食事をとるのがスイーツバイキングという点に関してはあまり感心しないけどね」

「アハハ……それはまぁ確かに……」


苦笑いをする新八を見て、秋彦は机の影でAを肘で小突いた。
それに対してAはすこし不満げな目を向けたが、すぐに元の顔に戻って新八とデザートをとりながら他愛ない会話を続けている。


「それにしても、銀さんがあたし達を誘ってくれた時はびっくりしちゃったな〜。こういうのは人が多い方が楽しいから嬉しかったけど」

「Aさんもやっぱり意外でしたよね!普段は銀さん、こういうことしないんですよ。人のことを自分から遊びに誘うなんて」

「え、そうなの?」

「基本巻き込まれ型なんで、あの人」

「あ〜そんな感じよね。困ってる人なんだかんだ放っておけないんでしょ」

「そうなんです!なんで分かるんですか?」

「だってあたしがそれで命拾いしたからね」

「あ、そういえばそうでしたね」


談笑する新八とAの間に、なんとなく入れないでいた秋彦に、銀時がぬっと近寄った。
その手には神楽に負けないくらいの盛り付けがされた皿が握られていた。

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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/  
作成日時:2020年10月10日 22時

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