【銀魂】能ある鷹は【坂田銀時】 (ページ15)

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Aと動物の交流に一通り感心した秋彦は、ふと、そういえばみたいな空気で銀時に目を向けた。

「タケノコのスパイさんすよね」

「え、何それボケなの?銀さんツッコんだ方が良いの?」

「あ、銀さんて言うんすか。名前分かんなかったんで、すんません」

「あぁ、知らなかったのね……」

「その節はうちの馬鹿がどうも。んで、今日は一体どうされたんすか。弟さんと散歩すか?」

と、後ろの眼鏡の青年に目を向けた。「あ、ちがいますよ」と青年は胸の前で小さく手を振り、否定の意思を示す。

「僕、志村新八といいます。銀さんの営む万事屋の従業員です」

「ヨロズヤ?」と首を傾げたのはAの方だった。
対して秋彦は「あぁ」と何か思いあたる節があるように声を漏らした。

「知ってるの?秋彦」

「アンタが保護されてたスナックの二階にそんな看板があったような」

「へぇ。何するとこなの万事屋って」

その質問に答えたのは新八の方だった。「所謂、なんでも屋ですよ」

「依頼を頂ければ、どんなことでも引き受ける。それが万事屋です!!」

「あぁ。それで、”何でも屋”ね」

得意げに言う新八に、Aは何か納得したように頷いた。
そして、それに加えて質問。

「それで、結局何してるの二人して」

「そうだ猫!!その猫の飼い主に探してこいって言われてんだよ」

その銀時の声に再び身を強張らせる猫。「ちょっと」とAは眉をひそめる。

「人慣れしてる猫これだけ何度もビビらせられる?普通。もしや君、ヨロズヤの名を騙るタケノコのスパイか」

「なんでそーなんだよ。つか銀時ね。坂田銀時」

「坂田!!」

「え、そっち?」

「じゃー山口!!」

「誰だよ!!どっから出てきた山口!!」

「我儘な男だな」

「じゃあ何て呼べばいいのさ」と唇を尖らせる。
銀時が「銀さんとか銀ちゃんとか……」と提案してみたところ、

「じゃあ銀さんで」

ということになった。

「さ、飼い主さんとこに猫ちゃん返しにいく?」

「イヤイヤオイオイ」

「大丈夫だって。銀さんもう全然この子から信用されてないみたいだしさ、私がついてくよ」

「そうじゃなくて!!名前!!お前の!!」

「あぁ」

なるほど、と小さく低い声が聞こえた。
そして彼女は不敵に笑って見せる。

「中島画塾が一番弟子、Aよ。覚えておいて、後悔はさせないわ」