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小堀先輩の計らいで笠松先輩と帰ることになった。
普段だったら2人きりだなんて、舞い上がるほど嬉しいけど、今日ばかりは小堀先輩が憎い。
別に何もやましい事はしていないんだけれども、心ならずも距離を置こうとしている相手と2人きりは、本当に勝手ながら気まずい。
笠松先輩の少し後ろを歩いていたが、急に笠松先輩が立ち止まったため、背中に顔面をぶつけてしまった。もともと高くない鼻がさらに低くなった気がする...。
「わりぃ、ちょっとここで待ってろ」
笠松先輩はそう言ってわたしを残してコンビニに行ってしまった。トイレ?
つぶれた鼻をさすっていたらすぐに戻ってきた。トイレかと思っていたのに、笠松先輩の両手には飲み物が握られている。
「遅くまでありがとな。嫌いじゃなかったらこれやるよ」
コーヒーと紅茶だったが生憎コーヒーは苦手なので、紅茶を受け取った。涼しくなってきたとはいえ、まだ少し蒸し暑さの残る夜の火照った身体には、紅茶の冷たさが染み渡る。
緊張による口渇感を満たすため、ごくごくと人目も気にせず喉を鳴らしてしまった。
「っぷはぁ!冷たくて美味しいです!!」
「そんなに焦って飲まなくても取り上げたりしねぇよ。むせるからゆっくり飲め」
夢中で飲んでいた事を指摘されて、余計顔に熱が集中する。羞恥心を誤魔化すため、また飲み口に口をつける。今度はゆっくり飲もう...。
隣の笠松先輩もキャップを開けて口をつける。ペットボトルを握る骨張った手と、上下に動く喉仏につい見とれてしまう。
バレたら怒られるから、気付かれないうちに堪能しておく。
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牛乳パック(プロフ) - みかんさん» 数年ぶりに続きを書いたので、古い作品なのに読んでくださって本当に嬉しいです!コメントもありがとうございます。みかんさんの言葉を励みに頑張っていきますね! (2022年5月4日 22時) (レス) id: 674e556381 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 笠松先輩かっこいい!更新頑張って! (2022年5月4日 12時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
煉華(プロフ) - 初めまして!最初からイッキ見してしまいました!(面白すぎて)初めは笠松先輩の事はいい人程度だったのですが、この小説を見て、笠松先輩イケメンだぁ!と思うようになりました!(笑)これからも更新頑張ってください! (2018年1月14日 10時) (レス) id: fadb1d2ddc (このIDを非表示/違反報告)
牛乳パック(プロフ) - 琥珀さん» きっとあの子だから話せるんだと思って書いてます(^^ 琥珀さんの応援で元気出たのでがんばります!!ありがとうございます!! (2018年1月6日 18時) (レス) id: 9bcf1f71eb (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 笠松先輩は女子に慣れていないから女子と話をしていると新鮮でなんか嬉しいwwww 楽しみにしていますので更新頑張って下さい!!!!!!!! (2018年1月5日 23時) (レス) id: 82ba44db13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牛乳パック | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tulip1451/
作成日時:2017年4月20日 21時