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硬直しているAの顔を見て、これはマズいと思った。そりゃ相談内容の張本人に対して言えるわけがない。
「1人でボールを磨こうとしていたから、俺が手伝ってたんだ。で、今終わったから帰ろうしていたところだ。笠松は忘れ物か?」
本当にボールは磨いたし嘘は言ってない。
「遅い時間まで悪いな、助かった。俺は明日提出のプリントを部室に置いてきちまったから取りに来た」
「なるほどな。俺達も帰ろうと思っていたところなんだ。そうだ笠松、もう暗くなるしAのこと駅まで送ってやってくれないか?」
「えっ、小堀先輩?!」
いつもの笠松とAのやり取りがないと寂しく感じるから、明らかに戸惑っているAには悪いが荒治療をさせてもらう。恨んでくれるなよ。
「駅まで一緒だから構わねえよ。ほら、帰んぞ」
「え、あ、小堀先輩お疲れ様でした!!」
リュックを背負いながら笠松の後を追いかけるAの背中を見つめ、自分の帰宅準備も進める。最後にAに睨まれたがAのためだ、しょうがない。
(笠松もいい加減、自分の気持ちに素直に向き合えばいいのに)
きっと笠松は気付いていないだろうが、俺と2人でいるところを見た時に嫉妬しているのがバレバレだった。
あれで自覚していないからタチが悪い。
しかし、3年目にして友人の見たことの無い顔が見れるのはなかなか面白い。
「さて、帰りにラーメンでも食べて帰るかな」
何ラーメンを食べるかを考えながら体育館を後にした。
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牛乳パック(プロフ) - みかんさん» 数年ぶりに続きを書いたので、古い作品なのに読んでくださって本当に嬉しいです!コメントもありがとうございます。みかんさんの言葉を励みに頑張っていきますね! (2022年5月4日 22時) (レス) id: 674e556381 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 笠松先輩かっこいい!更新頑張って! (2022年5月4日 12時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
煉華(プロフ) - 初めまして!最初からイッキ見してしまいました!(面白すぎて)初めは笠松先輩の事はいい人程度だったのですが、この小説を見て、笠松先輩イケメンだぁ!と思うようになりました!(笑)これからも更新頑張ってください! (2018年1月14日 10時) (レス) id: fadb1d2ddc (このIDを非表示/違反報告)
牛乳パック(プロフ) - 琥珀さん» きっとあの子だから話せるんだと思って書いてます(^^ 琥珀さんの応援で元気出たのでがんばります!!ありがとうございます!! (2018年1月6日 18時) (レス) id: 9bcf1f71eb (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 笠松先輩は女子に慣れていないから女子と話をしていると新鮮でなんか嬉しいwwww 楽しみにしていますので更新頑張って下さい!!!!!!!! (2018年1月5日 23時) (レス) id: 82ba44db13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牛乳パック | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tulip1451/
作成日時:2017年4月20日 21時