8.思い出 ページ9
悠仁side
「俺がAを守ってるつもりだったのに
Aは、もうそんな先にいたんだな」
『え？』
小学生の頃も
中学生の頃も
昔から泣き虫なAを
俺が守ってやらなきゃって思ってた
でも俺の知らない間に
とっくに呪術の世界にこいつはいて
俺のずっと先を歩いてる
「なんか、情けねえな俺」
足元の雑草を意味もなくむしって
ついそんな言葉をこぼしてしまった
すると随分と気の抜けた声が降る
『何言ってるの悠仁』
顔を上げると
Aは、優しい目をして俺を見つめてた
『私はずっと悠仁に守られてたよ』
「え？」
Aは、指折り数えながら
一つ一つ大切そうに言葉に紡いだ
『小学1年の時、お母さんの形見をクラスの男の子から、難なく奪い返してくれたでしょ？
小学3年の体育で男女混合ドッチボールの時
違うクラスだったのに私を守って、同じクラスの男の子に怒られてた、ふふ』
「あーー、よくおぼえてんな、はは」
『小学4年の体育祭でクラス対抗リレーの時
私アンカーの前だったのに足がもつれてこけちゃって、でもバトン渡す瞬間に悠仁が「あとはまかせろ」って笑ってくれたよ。
しかもビリから一位でゴール！』
「…ほんとに、よくおぼえてんな。」
『忘れないよ。ほんとに嬉しかったんだもん。
まだあるよ！
小学6年のバレンタイン
私は義理だって言って渡したのに悠仁はホワイトデーで小さなクマのぬいぐるみをくれた。
それは今も大事に持ってる！へへ』
「A…」
『中学は一度も同じクラスにならなかったけど、廊下でいつも声をかけてくれたし
私がストーカー被害にあった時
一緒に帰ってくれて犯人も撃退してくれた。
他にもたくさん、いっぱいあったよ。
悠仁はいつも私を守ってくれてたよね。』
月にかかってた雲が流れ
ほのかな灯りが俺たちを柔らかく照らす
Aの表情がよく見えた
『ありがとう、悠仁。』
「…！」
幼かったあの頃とは全く違う目の前のA
月明かりに照らされた輪郭線を
髪を
まつげを
綺麗だと思った
いや俺はずっとAを綺麗だと思ってたんだ
守ってやらなきゃって
それは嘘じゃねえけど
そんなんよりずっと
「A、俺は…」
「おいお前らこんなとこで何してる
消灯時間だぞ」
見回りに来た伏黒に言葉の先を阻まれる
『あ、伏黒！もうそんな時間？』
「まじか」
『私部屋に戻らなきゃ』
「おう、おやすみ」
『おやすみ！』
この先の言葉は
まだしまっておこう
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塩つぶて(プロフ) - きなこさん» 続き大変お待たせしましたーー！！待っていてくださってありがとうございます(/ _ ; )動画も見てくれたんですね〜〜！とっっても嬉しいですありがとうございます！がんばりますね！！(*´ー｀*) (2021年3月30日 3時) (
レス) id: 525082b9af (このIDを非表示/違反報告)
塩つぶて(プロフ) - みずりあさん» わあ〜〜ありがとうございます！！！嬉しいですー(/ _ ; )がんばります！ (2021年3月30日 3時) (レス) id: 525082b9af (このIDを非表示/違反報告)
塩つぶて(プロフ) - 焼きりんごさん» 続き大変お待たせしました〜（ ; ; ） (2021年3月30日 3時) (レス) id: 525082b9af (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - お話の続き待ってました！動画、とっても可愛くて素敵でした…小説も絵も大好きです！応援してます！ (2021年3月29日 18時) (レス) id: 7858502b5f (このIDを非表示/違反報告)
みずりあ - 夢小説書く人の中で、絵が激的に上手い人は初めて見ました。話の構成も上手いです。頑張ってください (2021年2月14日 5時) (レス) id: 67ed7150a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：塩つぶて | 作成日時：2020年12月21日 1時
