その背中に触れたい【虎杖悠仁】

17.サプライズ ページ18

「なんで皆手ぶらなのー！？」


ついに今日は交流会当日
野薔薇ちゃんは大荷物を持って
集合場所にきていた


『野薔薇ちゃん、交流会の会場
ここだよ… 』

「え！？」

「去年勝った方の学校でやんだよ」

「勝ってんじゃねーよ！！！」


京都に行く気満々だった野薔薇ちゃんは
去年の先輩方にキレている
でも気持ちはわかる


『私も京都行きたかったなあ』

「あら、来なくて良いわよ
京の都の神聖な空気が澱むじゃない」

『あ？』


後ろから聞き覚えのある声がして振り向くと
京都校の生徒たちが到着していた


「お出迎え？気色悪い」

『クソ雑魚がなんか言ってるわ
雑魚すぎて聞こえねえ』

「耳遠いのね可哀想に」

「うるせぇ早く菓子折り出せコラ
八ツ橋くずきりそばぼうろ」

「しゃけ」


対面早々罵詈雑言(一部を除いて)が飛び交っていると
それを遠目で見てた真希さんが
不思議に思い伏黒に尋ねた


「あいつ真依に対してだけ
めちゃくちゃ口悪いな。何かあったのか？」

「2ヶ月前あいつらがここに来た時に
虎杖のこと侮辱されて、それでですかね」

「あー…」

「おまたー！！」



すると突然五条先生がワゴンを押して
飛び込んできた



「やあやあ皆さんお揃いで
私出張で海外に行ってましてね
はいお土産」


そう言いながら先生は
よくわからない部族の人形を
京都の生徒たちに配る





「そして東京都の皆にはコチラ！！
故人の虎杖悠仁くんでぇーーっす！」


「はい！！
おっぱっぴーー！！」









(……………は？)









沈黙が長く流れた
理解がまるで追いつかない



だって、だって悠仁がいるわけ



「あ、あの、みんな…
A…？おーい…」


ワゴンから出ておどおどしてる悠仁


意味がわからないまま
足は悠仁の元へ駆けて
存在を確かめるように抱きつき
ぎゅっと腕に力を込めた


「おわっ！」


声は驚きつつも
いっさいよろけることなく
私を受け止める



悠仁の声
悠仁の匂い
温かい悠仁の体温




「A…？」




悠仁だ…


悠仁がいる


ここに


確かにここにいる







そう思うと
とめどなく次から次へと
大粒の涙が頬を伝った




『ゆ、ゆうじ…、悠仁…！』


「…A、ごめんな。黙ってて。」


『う、うぅっ、うああ…』




悠仁の胸に顔を埋めて

どうにか堪えようとしても
年甲斐もなく子供のように声をあげて
泣いてしまう




悠仁は私を抱きしめる腕をさらに強めて



余計に心がぎゅっと締め付けられた

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