【ヒロアカ】緋色の君はいつも、2 (ページ5)

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5.難しいよね。ページ5

昨日サーの元へ戻ると

何食わぬ顔で

「ああ、お帰り」

と言っていたが後から聞いたミリオ先輩の話によると

私が事務所に戻るまでずっと机の周りをウロウロして座ったり立ったり落ち着きが全くなかったらしい

ほんとに、お前は私のお父さんか。

と思いつつも心配してくれたのがくすぐったくて嬉しくて、
その日は感謝の意を込めて
私が腕をふるって夕飯をご馳走した

サーは美味しいと幸せそうな顔で平らげてくれた

そして今日の分の職場体験が終わり
私は3人のいる病院にお見舞いに来ていた

受付で病室の番号を教えてもらい向かっていると

『あ、飯田くん！』

「雪白くんじゃないか、来てくれたのか。」

自動販売機の前にいる飯田くんに会った

『腕、大丈夫じゃなさそうだね…』

「そんな大したことじゃないさ」

『後の二人は？大丈夫そう？』

「ああ、部屋で寝てるよ」

『そっか…。とにかく3人とも命に別状がなくてよかったよ…ほんとに。』

「心配をかけてすまなかった…」

『いや！飯田くんが謝ることじゃないけども』

なんだか飯田くんは凄い責任を感じてるみたい

深刻な顔をして俯いている

『飯田くん…言いたくなかったらいいんだけど

もしかして、飯田くんが保須市にいたのって
インゲニウムがヒーロー殺しに襲われたことと関係あるの？』

「なぜそれを…！」
驚いた様子で飯田くんは顔を上げた

『なんとなくね、飯田くんの戦闘服と
その事件が起きた後の飯田くんの様子を見てて…』

「そうか…」

また飯田くんは俯く

「ああ、インゲニウムは俺の兄だ…

俺は職場体験に私情を挟んだ上に
周りの人を巻き込んで怪我をさせ、迷惑をかけてしまった…」

落ち込ませたくてこの話を持ちかけたんじゃないのに、飯田くんの顔をさらに曇らせてしまった

『せ、責めてるわけじゃないの！
ごめんね飯田くん、そうじゃなくて

私もその気持ちわかるよ』

「え？」

『確かに、自分の感情に揺さぶられて
周りを巻き込んで…

ヒーローを目指す人がやってはいけないことだと思う。でも、大切な人が大怪我を負って冷静でいられるほど
私たちはまだ大人じゃないよね…』

飯田くんは驚いた顔で私を見ている

『ヒーローって難しいってほんと思うよ。
大切な人が目の前で血を流していても、常に冷静に周りを考えながら、視野を広く持って行動しないといけない。

プローヒーローの凄さが改めて身に染みてわかるっていうかさ…』