【ヒロアカ】緋色の君はいつも、2 (ページ25)

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24.全寮制ページ25

その後はオールマイトが苦戦しながらも
なんとかヴィランに勝ち

私たちにまた平和をもたらしてくれた

するとずっと黙って画面を見ていたお父さんが
口を開く

「オールマイト…引退するかもね」

『え…？』

「多分もう限界なんだと思うよ…」

『………そっか…』

次の日の新聞にはお父さんの言った通り
でかでかとオールマイトの正体と引退について綴られていた

なんだか時代の大きな節目に
自分が直面しているみたいで

実感がなかなかわかなかった

───────
────
─…

神野区事件から数日経ち
世間も少し落ち着いてきた頃

雄英から全寮制についてのプリントが郵送されてきた

『寮か…』

全寮制だなんて

正直なところ…

ワクワクしかしないね！！！

寮って！林間合宿みたいにみんなとずっと一緒に居られる時間がこれから続くってことでしょ？

最高じゃないですか

これはすぐにでもお父さんに許可をもらわねば

家のすぐ隣にある道場へと走って向かう

『お父さーーーーん！！』

バタバタ…バン！

「ん？Aどうした？」

「あ、A姉」

「A姉ちゃんだーー」

『あ、ごめん稽古中に…』

ちびっこたちの稽古中なのを忘れて
思いっきり扉をぶち開けて入ってきてしまった

「何かあったの？」

『あ、いや、稽古の後でいいや』

「ねえA姉、私すごく上手くなったよ～」

「俺も俺も！今ならA姉ちゃん倒せるぞ！」

お父さんの教え子のちびっこたちがわらわらと集まってくる

「せっかくだし見てあげたら？」

『えぇ～暑いのやだよ…』

寮の話を後でするとなったなら
正直今すぐにでもクーラーがんがんにかけた
自分の部屋に戻りたい

「A姉～～」

ああ、もうそんな顔で見ないでよ

『しょーがないな！』

そう言いながら
私は一人一人相手してあげた

真夏に、外へ出歩くことをできるだけ避けるために夏休みはほとんど家にこもりぱなしで

毎日の稽古は欠かさないけど、お父さん以外の人とあまり話してなかったから

ちょっと新鮮で楽しかった

そして稽古が終わり、夕飯を食べるときに
お父さんに全寮制の話をしたら

二つ返事で承諾してくれた

あまり心配はしてなかったけど
安心した…

あとは家庭訪問の日を待つのみだ