【ヒロアカ】緋色の君はいつも、2 (ページ20)

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19.不気味な男ページ20

すぐさま私は後ろに跳び退き臨戦態勢をとる

『誰』

きっとガスが晴れたことによって
A組もB組もみんな避難していってるはずだ

仮面を被っててこの男が何をしようとしているのか何も読み取れないあたり、不気味でしょうがない

「そんな警戒しないでくれよ
別に痛いことはしないからさ」

『痛くないことなら何かする気なんだ』

「それはどうだろうね」

『…ていうか、何で私の名前知ってるの』

マンダレイとの約束を果たさなければならない
必ず戻らなきゃ

話して時間を稼ぎつつ逃げ出すタイミングも見計らっているとマンダレイからテレパスが脳内に届く

(相澤先生が戦闘許可…！？
やっぱみんな危ない状況なんだ……！

先生後で自分が全部責任負う気だ)

でも、正直助かった
隙さえ見つけられたらあとは全速力だ

「君の名前？何言ってるんだ
みーんな知ってるさ雄英生は有名なんだから。」

『それで？私をどうするの』

臨戦態勢を保ったまま隙を探し続ける
するとまたテレパスが届いた

(…爆豪くんを狙ってる…？)

何で？
何でヴィランは爆豪くんを…

「いや、君ねうちのボスのお気に入りらしくて
今日のリストにはないんだけど、せっかく見つけたし手土産にでも持ち帰ろうかと」

『え…？』

リストは、きっと爆豪くんのこと
けど、お気に入りって何？
ボスって誰…？

「彼曰く、この間雄英を襲撃した時の君の
人を恨む熱い目と、体育祭で明らかになった君の個性に惚れたんだとよ」

この間…？
USJ事件のこと？

まさか死柄木！？

そこであの日気を失う直前に聞こえた
不気味な声をふと思い出す

《いい目をしてるねえ…きみ》

あの時の…！！

そんな、あの時起こした失態がこんなところで返ってくるなんて…！
それに体育祭を見てってことは多分常闇くんと対決をした時のあの凍らす個性のことだろう

もう色々と最悪

何をしてるの私は…！

「だから、ちょっと俺と一緒に来て欲しいんだ」

そう言い仮面の男は私に手を差し伸べる

『そんなんでノコノコついて行くわけないでしょ』

その言い放ち差し伸ばされた手につけられた手袋に息を吹きかける

「冷たっ！？」

相手が一瞬よろけたその隙に
私はありったけの力を使い施設の方に向かって飛んだ

つもりだった

「手荒でごめんよ」

その男が私に触れたと思った瞬間
そこで私の意識は途切れた