【ヒロアカ】緋色の君はいつも、2 (ページ12)

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12.軋みページ12

今日はみんなで買い物

の、はずだったのに

私は集合場所にたどり着けないでいた

(ここどこ…？)

同じショッピングモールなのは確か
なのにここがどこかわからないし集合場所がどのへんなのか見当もつかない

普段こういう場所にあまり出かけないのが仇となった

(とりあえず出久に電話でもかけてみようかな)

携帯をポケットから取り出してボタンを押したが、全然反応しない

『…え、充電切れてる…？』

ついてなさすぎでしょ…

とりあえずウロウロしてたら誰かしらに会えるよね

周りをよく見渡しながら
歩き回っているといきなり後ろから声をかけられた

「あ、君もしかして雄英高校の！
たしか、雪白ちゃん！？」

『？』

振り返るとそこには知らない若い男性が数人いて私に向かって歩いてくる

え、誰

「体育祭で俺ファンになっちゃってさー」

「はあ？お前JK相手に何言ってんだよ」

「いやこれはもうガチ恋っしょー！」

「ぎゃはははっこいつキメー！」

いや誰ですかあなたたちは

『あの、私人を探してるので』

「あーそういうクールなとこ！
もうめっちゃ好きだわー
ねね、よかったら俺らと一緒に遊ぼーよ」

「あ、いいじゃんせっかくだし遊ぼー！」

話聞いてないな
人を探してるって言ってるのに

何がせっかくだしだよ
どの辺がせっかくなんだよ

私は無言で立ち去ろうとしたら
腕をいきなり掴まれた

『ひっ！』

「無言で去ってくのは流石になくねー？」

『あ、あの！離してください…』

「えーせっかく会えたのに」

しつこいな
さすがにちょっと怖いよ…！

最悪個性発動させても自己防衛だと判断されるだろうかと考えていると

後ろから私の聞き慣れた声が聞こえた

「離してやってくれませんか。
俺の友達なんです。」

『鋭ちゃん…！』

鋭ちゃんは私の手を取ると
私の手を掴んできた男性はすんなり離してくれた

「なんだ連れがいるんだ」

「ほらもう行こうぜ」

根はいい人たちなんだろうな…

『あ、ありがとう鋭ちゃん…』

「どこ行ってたんだよ心配したんだぞ！
携帯も繋がらねえし」

『ごめん、充電切れちゃって…』

「まあ、怪我とかしたわけじゃなくてよかったけどさ！」

鋭ちゃんは私の手を離さないまま
歩き始める

「Aちゃん見つけたーっと、
みんなにはLINEのグループで報告しておいたし
俺らは俺らでどっか見に行こうぜ」

ニカッとした笑みで私に振り返り
温かい手で私の手を優しくぎゅっとにぎった