21:どういう事ですか爆豪くん！ ページ21
、
パチンッと響く若干愉快な軽い音。
額に鈍い痛みが走ったらしいクソ女は、声を上げて、そのまま動揺して尻餅をついた。クソダセェ、とソイツを嘲笑った俺は、尻餅をついたまま俺を見上げるクソ女と同じ目線になるようしゃがみこんで、一言。
「テメェは、はなっからうぜぇし迷惑な野郎だ」
「え、………あの、ごめんなさい」
「あ？」
意外にしおらしくなったままのクソ女。本調子じゃないコイツは、あまり見ていて面白くない。というか、張り合いがない。どうしたんだコイツ、逆に気味が悪い。
「私、これでも本当に爆豪くんのこと好きで、だから嫌われるのは嫌なんです」
「よく今まで嫌われてねぇと思えたなテメェ」
「ありがとうございます！！」
「褒めてねぇよ」
調子がいいのか悪いのか、クソ女はそのままもう一度、俺に頭を下げてきた。つまらない遊園地に付き合わせてごめんなさい、なんて最後には震えた声がやって来た。
―――つまんねえ、だと？
「は、誰がンな事言った」
「だって、遊園地、帰っちゃいましたし」
「違え。つまんねぇからじゃねえ。確かに遊具はクソつまんなかったけどな」
「ですよね」
「“遊具は”な」
え、と声を漏らすクソ女からを目を逸した。
コイツはいつだって俺の周りを彷徨いてて、ウザいくらい五月蝿くて、目障りな女だ。その上勝手に話を進めていって、今日だってそんなコイツに振り回された。乗りたくもねぇ遊具に乗らされたし、なんかやたらと地味な屋敷にも入れさせられた。だから。
クソうぜぇ。けど。でも。
「…………」
「………………」
俺の返答をずっと待っているクソ女。
ダメだ言えねぇ。絶対言えねぇ。というか言いたくねぇ。俺のプライドに掛けて絶対に言いたくねぇ。
「……じ」
「はい？」
振り絞った声で出た言葉は、いつもと変わらないようなものだった。
「自分で考えろやクソがッ！！」
「ええええっ！！」
嘘だろと言いたげな表情で奇声を上げたクソ女を部屋の外に放り投げて、俺は扉に寄り掛かった。そのまましゃがみこんだ俺は、ぴたりと額に手を当てて、チッと舌打ちした。ドクンっと高鳴る心臓の音がうるさくてどうしようもねぇし、顔も何故だがとっても熱い。クラクラした感覚に陥る。
言えるわけねえだろが。
お前を助けに行こうとしたとか。お前が心配でたまらなかったとか。いつの間にかお前と一緒にいるのが、楽しくなってたとか。
絶対、言えねえ。
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22:噂されてますよ爆豪くん！→←20:ごめんなさい爆豪くん！
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tukuyomi(プロフ) - 美羽さん» ありがとうございます！満足して頂けたのなら良かったです！私もこの作品を書いて良かったなと思いました…！新作も頑張って執筆する予定ですので、もし宜しければどうぞ！(上鳴くんものなので爆豪くんではないのですが…) (2017年12月28日 9時) (
レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
tukuyomi(プロフ) - いとりさん» 完結しました〜！爆豪との絡みは私も書いていて楽しくて、文字を打つ指が勝手にぽちぽち動いていきました(笑)A組の皆はそんな二人を見守りつつ「早よくっつけ」と苛立ちを抱えていた様子を、最後に描写しました。こちらこそ幸せ者です！ご愛読ありがとうございました！ (2017年12月28日 9時) (レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
tukuyomi(プロフ) - nasamakuo48さん» 完結です、ありがとうございました！生活中での楽しみになって頂けて、本当に嬉しいです…！毎度応援のコメントもくださり、更新の励みになっていました。私もこの小説を完結させるのは少し寂しいですが、新作でも頑張りたいと思います！ご愛読ありがとうございました！ (2017年12月28日 8時) (レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
tukuyomi(プロフ) - ぼーだーさん» ありがとうございます！楽しんで読んで頂けたのなら、とっても嬉しいです！「いい作品」と言ってもらえる作品を作りたかったので、良かったです…！ご愛読ありがとうございました！ (2017年12月28日 8時) (レス) id: 5d92b5beac (このIDを非表示/違反報告)
美羽(プロフ) - 完結、お疲れ様でした！いやー、よかった！すごく良かった！もーうこの作品にあえて良かったです！毎回毎回ニヤニヤしながら見てました！さいっこうでした！！新作も楽しみにしています〜。ありがとうございました！！！ (2017年12月28日 0時) (レス) id: f66b91292d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tukuyomi | 作成日時：2017年12月3日 14時
