84話 ページ39
-探偵事務所-
太宰「お早〜」
私が朝の業務を熟していると、太宰さんが呑気な挨拶をし乍入って来た。
国木田「おい太宰。
Aから聞いたぞ。
ポートマフィアの幹部と一体何を……」
太宰「国木田君」
太宰さんが言葉を遮った。
太宰「少し話があるのだけど」
太宰さんの目は、薄らと曇りがかっていた。
そんな視線に、国木田さんも眉を潜めた。
国木田「……分かった」
-------❁ ❁ ❁--------------❁ ❁ ❁-------
国木田said
太宰に連れられ、広い公園へと来ていた。
目の前に海が広がるベンチに腰掛ける。
太宰「国木田君」
太宰が深刻な面持ちで口を開く。
太宰「私は……暫くは君との任務に行けないかも知れない」
国木田「……!?」
突然の告白に思わず言葉を失う。
若し此れを何時もの調子で云われていたなら、恐らく、何時もの返しをしていたのだろう。
然し、明らかに様子が可笑しかった。
国木田「……何故だ」
唯、そう聞き返すことしか出来ない。
太宰「……私は……細かい事情は話せないが、……。
……異能を使えないのだよ。……暫くの間」
更に混乱した。
異能が使えないだと……?
太宰「そりゃあ、異能を使わずに済む案件には参加するし、幾らでも手伝いはしよう。
……私が足手纏いになっても良いのなら、任務にも付き合うよ。
けれど、こんな状態だから、暫くは真面な使い者にはならない……と、頭にだけでも入れて置いてくれ給え」
話の内容は2割も頭に入っていなかった。
太宰「態々こんな処に迄連れて来て済まなかったね。
……話しは……其れだけだから……」
そう云うと、太宰は立ち上がった。
然し俺は、混乱の余り動けないでいた。
太宰「さあ、帰ろう」
其の言葉で漸く我に返った。
問い質さねば。
如何云う事情なのかを、しっかりと聞いて置かなければ……
太宰「……行くよ」
然し、まるで俺の心を見透かして放ったような、そんな温度を感じさせる一言に、俺の唇は凍り付いて仕舞った。
90人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲姫(プロフ) - 紅夏さん» わああああ!楽しんでもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(><)ありがとうございます!!これからも頑張ります!! (2018年5月5日 9時) (レス) id: 53214a536b (このIDを非表示/違反報告)
紅夏 - 太宰さんんんんん!面白かったです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年5月4日 21時) (レス) id: 1b04687fdb (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - ジュリさん» ふぁあああありがとうございます!期待に応えられるよう、更新めっっっっっっっっっっっっっっちゃ頑張ります! (2017年11月25日 11時) (レス) id: 88671b77e8 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - グバッ・・・ウヒョーーーー!!最高でしたよ!(≧∀≦)/更新めっっっっっっっっっっっっっちゃ楽しみにしてます!双黒かっこいい! (2017年11月25日 10時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - 三毛猫さん» 語彙力……ですか……!?自分では語彙力ないと思っているので、そう言ってもらえるとすっごく嬉しいです!ありがとうございます! (2017年11月13日 6時) (レス) id: 88671b77e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:咲姫 | 作成日時:2017年4月10日 22時