ころんに”ばか”って言われたい。

聴かせて ページ16

「僕疲れた、一回休憩しようよ」

参考書のページをめくろうとした矢先、ころんがあくび交じりに言う。

さっきも休憩したばっかじゃないか。

文句が頭をよぎるが、口には出さなかった。

まずこいつが勉強をしていることが異常なのだ。

異常と言っては悪いかもしれないけど。

『休んでもいいけど、さっきの休憩から何か進んだの？』

「ワークが二ページ進んだー」

全然進んでないな、これ。

てか提出分のワーク、そんな調子だったら出せないだろうに。

『早く提出分終わらせて、追加の勉強しないと意味ないでしょ』

「いつもワークギリギリに出してる人が急にそんなことできましぇーん」

イヤホン越しにころんがブツブツと言っている。

せっかくビデオ通話で勉強しよなんてあっちから言い出したのに。

そこらへんの意識は変わっていなかったか。

『もう知らないからね。ななもり先生に怒られても』

ななもり先生怒らせると怖いこと十分にわかってるでしょ。

あー怖い。

「えーヤバそうだったら助けてよマジで！僕、Aのこと信頼してるから」

『いつも悪事しかしていない君のことを信頼できると思うかい？』

毎日ころんに振り回されてばかりで。

まあそれが楽しいってことは言えないけど。

てか私Mなのか？

「もうなんにもしないからさー！」

『信用ならない。さ、もう再開しよ？』

「えー」

ころんはブツブツ文句を言ってたけど無視。

私は勉強で忙しいんだよ。

ころんにも勉強心が根付いたらいいけど。

もうその時には成人迎えてそうだな。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している


←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す