ころんに”ばか”って言われたい。

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そこから何故か気まずい雰囲気。

え、この感じすごい嫌。

冗談でも好きなんて言わなければ良かったか？

でも、からかいたくなるんだよ。

このなんか否めないばか。


「突然の好きは僕爆発しちゃうからやめて」


ころんが照れくさそうに顔を抑えている。

半分冗談のつもりだったのに。

あとの半分は何かわからないけど。


『えーだってこれ言ったらころん、永遠に黙るかなって思って』


「なに僕を永眠させたいわけ！」


『うん』


まあ違うけど、面白いから続けてやろう。

ころんといると、時間があっという間に感じる。

他愛もない話をずっとしてるだけなのにね。


「やば、ちょっと警察までいいですか？」


『は？警察行きはお前だろ』


「辛辣なAが炸裂致しました！どうもどうも」


『は？』


いつまでたってもこいつの考えてることが読めない。

一回脳内覗いてみたいぐらい。

お花が満開に咲き誇ってるんだろうな。


ふと、公園の時計に目がいく。

もう下校してから1時間近く経っている。

私は慌ててころんの腕を掴み、本屋に駆け込む。


「わあちょっと痛いって！」


ころんが痛いと嘆いているが、一旦放っておく。

早く本を買って、家に帰らないと。

お母さんに怒られるの確定じゃん。

気が重すぎる。


颯爽とレジまで走り、会計を秒で終わらす。

お小遣いちゃんと貯めておいて良かった。

貯金が何円かないと落ち着かないんだよね。


「買えたのー？さっきのまだ痛いんですけど」


ころんがばかばかと連呼してくる。

私の名前はばかじゃねえよ、ばか。


『買えたから早く帰ろ。お母さんに怒られる』


また、ころんの手首を掴みそそくさと走る。

こいつちゃんと食べてんのかレベルで細いよな。

こっちが心配になる。

あんなにやんちゃなのに、肌白いし細いし。

女を辞めたくなるんだよ、こいつと居ると。


「勝手に怒られとけ...」


ころんがぼそっと言っているのが聞こえた。

普段の声量がでかいから、小さく言っても丸聞こえなんだよな。


『いまなんてー？勝手に怒られとけとか言いましたー？』


煽り口調で言うと、ころんは案の定ぷんぷん怒り出す。

いつも通り。


「しねこのばか！ぶす！」


『は！？黙れモンキー！』


その日は結局、一時間半家に帰れなかった。





手があいたので息抜き更新です！

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