貴方と共に果たす復讐【荼毘】 (ページ5)

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AFO「今日から君にはここで暮らしてもらう」

先生に連れられて通されたのは、綺麗すぎる程片付けられたひとつの部屋だった。

もうあの両親とも顔を突き合わせなくて済むと思うと心が少し軽くなった。

AFO「そういえば聞き忘れていたが...君の名前と年齢は？」

『楠木 A、12歳です』

AFO「では、A。今日から君は楠木ではなく、死柄木と名乗りなさい。死柄木 Aだ。いいかい？」

『...はい！分かりました、先生』

楠木という苗字は両親を連想させるから嫌いだった。

死柄木、というのは先生の苗字なのだろうか。..まあいいや。

AFO「そして続けざまで申し訳ないが、Aに紹介したい子がいるんだ」

先生はそう言うと「弔」と誰かを呼んだ。

弔「何、先生」

暫くして、ガチャと音がして扉から現れたのは、

『...ｯ』

＿＿自身の顔に人間の手のオブジェを身に付けた、水色の髪の青年だった。

顔はよく見えないが、機嫌が悪そうなのはひしひしと伝わってくる。

私に興味がなさそうで、でも少しばかり感じる殺気。

普通なら怖いと思うだろうが、生憎いつも向けられているものと何ら変わりない。

AFO「A、この子は弔。君と同じ、私の子だよ。...弔、今日から君の妹のAだよ」

『よ、よろしく、おねがいします...』

弔「....よろしく」

お互い、軽い挨拶を交わす。

すると先生は、じゃあ用事があるからと言って早々とその場を立ち去った。

部屋には私と弔さんだけが取り残された。

...正直ちょっと気まずい、かも。

見た感じ、年は私とはだいぶ...5歳以上は離れている。

どうすべきかと立ちすくんでいると、先に弔さんが口を開いた。

弔「あのさ、」

『は、はい！なんですか、弔さん』

慌ててそう言うと、弔さんは少し黙って、はぁと溜息をつき

顔につけていた手のオブジェを外した。

弔「仮にも兄妹になったんだから、さん付けは他人行儀すぎない？」

私と目を合わせてそう告げた。

...思っていた人物像とは違った、もっと冷酷な人だと決めつけていたから。

私が怖がっているのに気づいたのか、声のトーンが少し柔らかくなった気がした。

『えっと...じゃあ、弔くん？』

兄なんていた事がないから呼び方も分からない。

でも、なんとなく"お兄ちゃん"と呼ぶのは違うかなと思った。

弔「まあ、それでいいよ、A」

そして、私に向けて少し微笑んだ。

綺麗な笑顔だな、と心から思った。