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荼毘 side
翌日、アジトに行くとそこには死柄木の妹しかいなかった。
どうやら俺以外の奴らは全員出掛けたらしい。
特に用もなかったので、留守番中だったAの話し相手になってやった。
何故あんなに死柄木が過保護なのか不思議で仕方なかったが、こいつの話を聞いて理解した。
初めて見た時に感じた、あの悲しみ。
あれは俺と同じく、親とヒーローに捨てられたことから来てたのか。
気持ちが痛いほど伝わってくる。
俺は、よく今まで生きてきた という思いを込めてAの頭を撫でた。
そのあと、話の流れ的に当然だが俺の事も聞かれた。
もう少し後に打ち明けようと思っていたが、こいつにならいいかと思って俺は全てを話した。
家族のことも自分のことも人に話すのはこれが初めてだった。
話し終わって顔を上げると、Aは涙を流していた。
『ご、めんなさ...っ。なんか、急に、』
その瞬間、俺は、惹かれた。
Aの綺麗な泣き顔に。
見ているだけで、ぞくぞくする。
耐えられなくなり、衝動的に親指でAの涙を拭う。
一瞬、Aの肌に触れた親指は少し熱を帯びていた。
...もっと。
もっと触れたい。
もっといろんな顔を見たい。
＿＿＿お前の全てを知りたい。
その時、俺はいいアイデアを思いついた。
口角が自然と上がるのが、鏡がなくても分かる。
荼毘「俺と一緒に、ヒーローに復讐しないか？」
初めは戸惑っていたAだったが、俺が言葉で攻めたらすんなり堕ちてくれた。
『共に、復讐を果たしましょう』
その言葉を聞いた途端、俺はAを抱きしめた。
嬉しかった。
でも、それ以上に、
Aが堕ちてくれて、俺の方に来てくれて、
馬鹿なくらい単純すぎるこいつに愛おしささえ覚えて、
口元の笑みが抑まらなかった。
復讐と称してヒーローや両親を自らの手で殺めたなら、心が綺麗なAはきっと後悔する。
＿＿＿＿＿そしてまた、Aの泣き顔を見ることができる。
あァ、生きてきた中でこんなにわくわくすることに出逢えるなんて思ってもなかったなぁ。
荼毘「一緒にやり遂げような、A」
この言葉の本当の意味をお前は知らなくていい。
ただ、俺の傍から離れなければいい。
Aを抱きしめる力を少し強めた。
＿＿＿まぁ、逃がす気はさらさらねェけどな？
荼毘 side 終
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猫舌民族 - 凄く面白いです！自分は弔くん推しなのですが荼毘推しになりそう…応援してます頑張ってください！ (2023年1月25日 21時) (
レス) @page15 id: fee7097d1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つくし | 作成日時：2023年1月19日 22時
