貴方と共に果たす復讐【荼毘】 (ページ7)

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話終えて弔くんの方を見ると、なんとも言えない複雑な表情をしていたが

暫くして、ただ一言、へぇと言葉を発した。

それは同情を意味するのか、非情を意味するのか、はたまた違う感情を意味するのか、私には分からなかった。

同じように私も弔くんに過去のことを尋ねた。

あまり乗り気ではなさそうだったが、話してくれた。

家族、個性、そしてこの生きにくい世の中について。

私なんかより何十倍も辛い過去で、聞いているこっちも胸が痛くなってくる。

気づけば私は無意識に弔くんの頭を優しく撫でていた。

余程驚いたのか瞳孔を見開き、私を真っ直ぐと見つめる。

『あ...ごめんなさい、』

嫌だったよねと言って手を離す。

すると、意外な答えが返ってきた。

弔「.....別に嫌じゃない。驚いただけ」

弔「だから...もう少しだけ、続けていいから」

その言葉に驚きつつ、もういいと言われるまで私は頭を撫で続けた。

早いことで先生と弔くんに出会って1週間が過ぎた。

私は毎日、弔くんに付き合ってもらって個性の特訓をしている。

先生は忙しくて、たまにしか見てくれないけど。

個性の訓練は思っていたよりも困難を極めた。

使ったことがほとんどなく、教えてくれる人もいないので正直難しいどころの話じゃない。

使いこなすなんて絶対無理だと思っていた。

...だけど。

弔くんと先生のアドバイスのおかげか、1週間も経つ頃にはたいぶコツを掴めてきた。

できることが増えていく度に嬉しくなった。

そして、それと同時に、なんてヴィラン向きな個性なのだろうと心から歓喜した。

簡単に人の命を絶つことができるだろう。

まだ試したことはないけど、感覚的にわかる。

それは個性を極めれば極める程、確信へと変わっていった。

それが弔くんにも伝わったのだろうか。

弔「...できるだけAには人を殺してほしくない」

ある日の特訓中にぽつりと溢れた言葉。

弔くんは少し不安げに、そして心配するように私を見た。

暴力を振るった親も、助けてくれなかったヒーローも大嫌いだ。

でも、だからといって、深く明確な殺意はなかった。

人を殺したいと思ったことはなかった。

『大丈夫だよ』

私はそう言って軽く微笑んだ。

『＿＿＿＿今は、まだ』