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荼毘 side
分かっちゃいたが、やっぱり死柄木はやばい奴だった。
義蘭という男の紹介でここに来たが、こんな奴がリーダーででよくこれまで活動してきたものだ。
そう思い、今だに首を引っ掻いている連合のリーダー＿死柄木弔を見る。
俺と、トガとかいう餓鬼がステインの名を口にした途端、この有様だ。
本当にこの連合に入ることが俺にとって最善なのか？
黒霧と呼ばれていた奴に暫く待つよう言われ、俺はソファーに腰かけ、そんなことを考える。
...が、それは途中で意味の無いことだと気づいた。
連合なんて正直どうだっていい。
＿＿あの男に、復讐さえできれば。
座って待っているのが退屈だったので、俺は立って改めて辺りを見渡した。
すると、部屋の端の方にある扉に目が止まった。
何の変哲もない、ただの扉。
だが俺はその扉に向かってゆっくりと歩いていく。
何故目に止まったのか、近づこうとしているのか、自分でも分からない。
ただ、ほんの少しだけ、吸い寄せられるような気配を感じた。
俺と同じような、そんな気配が。
そして、俺は気づけばドアノブに手をかけていた。
鍵は掛かっておらず、ｶﾞﾁｬ と音を立てて扉が開く。
案外簡単に開いてしまったので、俺は思わず お、と小さく声を漏らす。
『え』
だが、そこには。
俺の想像とは裏腹に、黒髪でオッドアイの少女がただただ驚いたようにこちらを見ていた。
その瞬間、俺はその右目に吸い込まれそうになった。
俺の個性と同じ、蒼。
そして微かに悲しみを帯びていたように見えた。
あの悲しみを俺は知っている。
そんな気がした。
すぐさま死柄木が飛んできて、妹だと言った時には心底驚いた。
血縁ではないという言葉には少し安心を覚えた。
こんなイカれた奴の実の妹なんてイカれた野郎に決まっている。
俺は、こいつ＿＿Aに対して少なからず好感を抱いた。
荼毘「んな餓鬼相手に何もしねェよ」
死柄木に加入を認められて、咄嗟に出た言葉。
悪いが死柄木、何もしねぇなんて約束はできそうにない。
もしかしたら、この時点で既に俺はAに惹かれていたのかもしんねぇな。
荼毘 side 終
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猫舌民族 - 凄く面白いです！自分は弔くん推しなのですが荼毘推しになりそう…応援してます頑張ってください！ (2023年1月25日 21時) (
レス) @page15 id: fee7097d1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つくし | 作成日時：2023年1月19日 22時
