30話 ページ31
周りに配り終えた後､じっと蛍を見据える｡
じわじわと近づいて､距離を縮めてゆく｡
近づきながらゆっくりと深呼吸をして､緊張でバクバク言っている心臓を鎮める｡
本当に感謝したいときは､相手の目を見て､最上級の笑顔で､最大限のお礼を…!
兄の教えを繰り返しながらこわばった声で「蛍」と声を掛ける｡
「これ､ドリンク｡…それと､さっきは､心配してくれてありがとう!」
にぱっと笑いかけると､一瞬固まった後､「…別に､お礼を言われるような事じゃないし｡…でも､まぁ､どういたしまして」と何処かぎこちなく受け取られた｡
…まだ､仲直り出来ていないのだろうか｡
しゅんとしながら踵を返すと､はぁ､と盛大な溜息が聞こえてきた｡
そこで完全に意気消沈した私には聞こえていなかったのだ｡
蛍が隣にいた山口に牽制するやりとりが｡
「仲直り出来た!?」
心配そうにこちらを見る仁花｡分かりやすく『心配』と顔に書いてあり､裏表のない､良い奴だと心底思う｡
「…分からない｡もしかしたら､嫌われたかもしれない｡
いや､別にいいけど｡別れるってなったらそれまでだったって事だし､ちゃんと関係を清算してもらえるならそれはそれで｡
でも､ドリンクを賄賂にして､向こうを立てて許しを請う様な奴だと思われていたら?
奴はモテるぞ?知ってるか?この前女子から告白されてたんだ｡
そんな奴がこの話を周りにしたら?私は生きていけないぞ?また引き籠るぞ?噂なんて簡単に尾ひれがついて､そのうち手足が生えて自立しだすんだぞ?」
「わ､わぁ!Aちゃん､おちゅ､落ち着いて!」
地面にしゃがみこんで頭を抱えながら､この世の終わりのようにぶつぶつと呟く私を必死で宥める仁花｡
あ､少し落ち着いてきた｡
「…なぁ､怖いからさ､明日､久し振りに一緒に学校に行かないか?私が迎えに行くから」
「…!うん!」
明日､変な噂が広まってないといいな…｡
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まみこ(プロフ) - さくにょさん» まじでそれな……。パスワード制にもう一度して、知りたい人に「メッセージ」として送ればいいんじゃないかな……？そうすれば荒らし減りそう。 (2023年2月25日 16時) (
レス) id: 2e6caf5e65 (このIDを非表示/違反報告)
もか@無気力(プロフ) - さくにょさん» ありがとう!!!コメントめっちゃ嬉しい…!!!さくにょちゃんも頑張って!!! (2023年1月29日 15時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - なんでこんな心情描写も仕草も全てが綺麗に描写された作品が伸びないのか・・。もかお姉ちゃん！！応援してるよ！ (2023年1月29日 15時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)
もか@無気力(プロフ) - モモさん» ありがとうございます!!!コメントや評価､本当に励みになるので嬉しいです!!! (2023年1月8日 16時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - めっちゃ好みの度タイプです！更新がんばってください！めちゃ楽しみにしています！！ (2023年1月7日 17時) (レス) @page34 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もか@テスト死にそう | 作成日時：2022年4月28日 23時
