19話 ページ20
2日に1度、毎回1つ自分が決めたお題の話をして、相手への理解を深める目的で、蛍と一緒に食事をすることになった。
最近好きな音楽の話とか、面白いと思った話とか、そういうのを何回か繰り返して、大分、友達に近づいたと思う。
そんなある日の事だった。
「
「うん。明後日に」
「観に行ってもいいか?」
「…ルール分かるの?」
「ポジション名と役割、技名、ポイントの入り方なら、一応」
私が告げると、蛍は少しだけ意外そうに目を見開いた。
こいつ、意外と顔に出るというか、なんというか、割と分かりやすいな。
「バレー、やってたの?…そうは見えないケド」
「やったことはある。と言っても、学校の授業と、たまに周りに付き合ってボール上げた程度で素人だ。
授業ではポジションはローテーションだから特に無かった。
…でも、好きなのはリベロ。
あの、チームを地味に、でも確実に支えている、なんて言うんだろうな…そう、縁の下の力持ち、いや、チームの守護神みたいな役割が、凄く、格好良いと思う」
しまった、語りすぎたか。
様子を伺うようにチラッと見上げたが、どうやら心配する必要は無かったらしい。
「…MBもいいと思うケド」
控えめに告げられた言葉に、吹き出しそうになるのを必死で堪える。
…笑うな。こういうのは、笑ったら絶対にもっと拗ねるから。
こういった場合に笑うと拗ねるというのは、妹で経験済みだった。
そう、ここでの最適解は…肯定。
「そうだな、それも格好良いと思う」
私がそう告げると、蛍は満足そうに口元に弧を描いた。
その仕草に、不覚にも、ドキッとする。
…あれ?こいつってもしかして結構な美人なのでは?
いや、イケメンだとは思っていたけれど。
てか、何だよ『ドキッ』て。柄じゃないにも程があるだろ。
ときめいたみたいじゃないか…ムカつく、ずるい。
キャパオーバーに近くなった脳内を、そんな稚拙な考えがぐるぐると巡った。
「A?」
「っ!あ、…ハイ!!!」
隣から聞こえた大声に顔を顰める蛍。
うん、うるさいよな。悪かった。
ガバッと立ち上がって荷物を取る。結構余裕がないというか、ドギマギとしている自覚はあった。
「予選、絶対に観に行くから。じゃあな!!!」
「え、チョット!?」
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まみこ(プロフ) - さくにょさん» まじでそれな……。パスワード制にもう一度して、知りたい人に「メッセージ」として送ればいいんじゃないかな……?そうすれば荒らし減りそう。 (2023年2月25日 16時) (レス) id: 2e6caf5e65 (このIDを非表示/違反報告)
もか@無気力(プロフ) - さくにょさん» ありがとう!!!コメントめっちゃ嬉しい…!!!さくにょちゃんも頑張って!!! (2023年1月29日 15時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - なんでこんな心情描写も仕草も全てが綺麗に描写された作品が伸びないのか・・。もかお姉ちゃん!!応援してるよ! (2023年1月29日 15時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)
もか@無気力(プロフ) - モモさん» ありがとうございます!!!コメントや評価、本当に励みになるので嬉しいです!!! (2023年1月8日 16時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - めっちゃ好みの度タイプです!更新がんばってください!めちゃ楽しみにしています!! (2023年1月7日 17時) (レス) @page34 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もか@テスト死にそう | 作成日時:2022年4月28日 23時